エイブラハム・リンカーンは、アメリカ合衆国史上初めて共和党から選出された大統領です。この事実は、アメリカの政治史における重要な転換点を示しています。
共和党の誕生とリンカーンの当選
共和党は1854年に結成されました。当時、奴隷制の西部諸州への拡大に反対する勢力が中心となり、ホイッグ党や自由土地党などの政治家たちが集まって新しい政党を作り上げたのです。党の結成からわずか数年後の1856年には、ジョン・C・フレモントを候補として初めて大統領選に挑戦しましたが、この時は民主党のジェームズ・ブキャナンに敗れています。
そして1860年の大統領選挙で、イリノイ州出身の弁護士エイブラハム・リンカーンが共和党候補として出馬し、見事勝利を収めました。これにより、リンカーンは第16代大統領として就任し、共和党出身者として初の大統領となったのです。
リンカーン政権の歴史的意義
リンカーンの当選は、奴隷制問題をめぐる南北対立が頂点に達する直前の出来事でした。彼の就任後まもなく南部諸州が連邦からの脱退を宣言し、1861年には南北戦争が勃発します。リンカーンは戦争を指導しながら、1863年には奴隷解放宣言を発布し、国家統一と奴隷制廃止という歴史的な課題に取り組みました。
1864年の再選挙でも勝利したリンカーンでしたが、1865年4月にジョン・ウィルクス・ブースによって暗殺され、その生涯を閉じました。在任期間はわずか4年余りでしたが、彼が切り開いた共和党政権の道は、その後のアメリカ政治の大きな柱となっていきました。
まとめ
共和党は1854年の結成以来、1856年の大統領選では敗北を経験しましたが、1860年のリンカーンの当選によって初めて政権を獲得しました。つまり、エイブラハム・リンカーンは間違いなく共和党最初の大統領であり、アメリカ史において特別な位置を占める存在なのです。