連邦政府による大陸横断鉄道建設への支援策
19世紀後半、アメリカ合衆国が大陸横断鉄道を建設するにあたり、連邦政府は多方面にわたる強力な支援を実施しました。ここでは、その主な支援策を詳しく解説します。
1. 土地譲渡(ランド・グラント)
連邦政府は鉄道会社に対し、数百万エーカーにも及ぶ公有地を譲渡しました。鉄道会社はこの土地を売却したり担保に入れたりすることで、建設に必要な資金を調達することができました。
2. 債券補助
政府は債券補助金の形で建設資金の調達を支援しました。鉄道会社はこれらの債券を投資家に販売して資金を集めることができ、政府が債務保証を行っていたため、万が一鉄道会社が返済できなくなった場合でも、政府が債権者へ返済する仕組みになっていました。
3. 低利融資
政府は鉄道会社に低金利の融資も提供しました。莫大な建設費用を賄う大きな支えとなり、低い金利設定によって返済負担も軽減されました。
4. 税制優遇
税制面での優遇措置も実施されました。これにより鉄道会社はコストを削減でき、浮いた資金を建設事業への投資に充てることが可能になりました。
5. 技術支援
政府は鉄道敷設予定地の地図や測量データといった技術的な支援も行いました。おかげで鉄道会社は、路線の計画や建設をより効率的に進めることができました。
6. 軍事的保護
建設期間中には、軍隊による保護も提供されました。これはアメリカ先住民をはじめとする敵対勢力からの攻撃から、鉄道会社や作業員を守るために欠かせない措置でした。
大陸横断鉄道を支えた連邦の法律
こうした財政的・物的支援に加えて、連邦政府は鉄道建設を後押しする複数の法律を制定しました。主なものは以下の通りです。
- 1862年太平洋鉄道法(Pacific Railway Act):ユニオン・パシフィック鉄道会社を認可し、ミズーリ川から太平洋岸までの鉄道建設を許可しました。
- 1864年セントラル・パシフィック鉄道法:セントラル・パシフィック鉄道会社を認可し、カリフォルニア州サクラメントから同州東部境界までの鉄道建設を許可しました。
- 1869年一般鉄道法:公有地における鉄道建設を認め、鉄道会社への国有地売却の枠組みを定めました。
まとめ
連邦政府による手厚い支援は、大陸横断鉄道の成功にとって不可欠なものでした。もし政府の支援がなければ、完成までにさらに長い歳月が必要となり、最悪の場合、鉄道自体が実現しなかった可能性もあります。連邦政府と鉄道会社の緊密な協力関係こそが、アメリカ大陸を東西に結ぶ歴史的プロジェクトを成し遂げた最大の原動力となったのです。