「ジョージ・ワシントンが5つの州を設立した」という話を耳にすることがありますが、これは誤解です。ジョージ・ワシントンはアメリカ合衆国の初代大統領ではありましたが、自らの手で新しい州を設立したわけではありません。
州の設立は大統領の権限ではない
アメリカ合衆国において、新しい州を作るのは大統領の個人的な権限ではなく、連邦議会(議会)の承認によって行われる手続きです。既存の準州(Territory)が人口や自治の条件を満たすと、議会が法律を可決し、正式に州として連邦に加盟する仕組みになっています。
ワシントンの任期中に加盟した州
ただし、ワシントンが大統領を務めていた時期(1789年〜1797年)には、確かに新しい州が合衆国に加わっています。
- バーモント州(1791年)— 独立戦争中から事実上の共和国として存在していた地域が、14番目の州として加盟
- ケンタッキー州(1792年)— バージニア州から分離して15番目の州に
- テネシー州(1796年)— 南西部準州から16番目の州として加盟
これらの州の加盟にはワシントンが大統領として署名を行いましたが、あくまで議会が承認した手続きに対する最終確認であり、「州を設立した」と表現するのは正確ではありません。
まとめ
ジョージ・ワシントンは建国の父の一人であり、初代大統領として国家の基礎を築いた偉大な指導者でしたが、特定の州を個人として設立した事実はありません。「5つの州を設立した」という言説は、任期中の州加盟の歴史と混同されたものと考えられます。