オセアニアの歴史

カルロス・「ボトン」・フランシスコの代表作とは?フィリピン国民芸術家の傑作を紹介

カルロス・「ボトン」・フランシスコとは

カルロス・V・フランシスコ(Carlos V. Francisco、1912年〜1969年)は、愛称「ボトン(Botong)」の名で親しまれたフィリピンを代表する画家・壁画家です。リサール州アンノノの出身で、フィリピンの歴史や民衆の暮らしを壮大なスケールで描いた壁画によって、国民的芸術家として高い評価を受けています。1973年には、フィリピン国民芸術家(National Artist for Visual Arts)の称号が贈られました。

本記事では、ボトン・フランシスコの人物像と、特によく知られる代表作について詳しくご紹介します。

ボトン・フランシスコの主な代表作

リサールの殉教(The Martyrdom of Rizal/Bayani、1957年)

フィリピン独立運動の英雄ホセ・リサールが処刑される場面を描いた歴史画です。ドラマチックな構図と鮮やかな色彩で、銃殺の瞬間の緊張感を見事に表現しており、ボトンの名声を一気に高めた作品として知られています。

リマサワの最初のミサ(The First Mass at Limasawa、1965年)

1521年、マゼラン率いるスペイン船団がフィリピンの地で挙げた最初のカトリックのミサを描いた作品です。フィリピンにおけるキリスト教伝来の原点となる出来事を、荘厳かつ臨場感あふれる筆致で表現しています。

血の盟約(The Blood Compact/Sanduguan、1965年)

1565年、スペインの征服者ミゲル・ロペス・デ・レガスピとボホール島の首長ダトゥ・シカトゥナが交わした「血の盟約(サンドゥゴ)」を題材にした歴史画です。互いの血を飲み交わして結ばれた友好の誓いは、フィリピンとスペインの歴史的な出会いを象徴する場面として広く知られています。

フィリピン独立宣言(Declaration of Philippine Independence)

1898年、カウィットで行われたフィリピン独立宣言の場面を描いた作品です。国旗が掲揚され、民衆が独立の喜びに沸き立つ様子を、力強い人物配置と躍動感のある描写で描き切っています。

ラジャ・フマボンの洗礼(The Baptism of Rajah Humabon)

セブ島の首長ラジャ・フマボンとその一族がキリスト教の洗礼を受ける場面を描いた宗教歴史画です。フィリピンにキリスト教信仰が根づくきっかけとなった出来事を、華やかな儀式の様子とともに表現しています。

まとめ

ボトン・フランシスコの作品は、マニラのフィリピン国立美術館などで鑑賞することができます。歴史の一瞬を鮮やかに切り取ったその壁画は、フィリピン近代美術の金字塔として、今なお多くの人々を魅了し続けています。