アメリカ合衆国は、本土50州やワシントンD.C.だけでなく、太平洋からカリブ海に至る広範な海域に数多くの島嶼領土を保有しています。これらの領土には「未編入領土」「編入領土」「コモンウェルス(自治連邦区)」など、それぞれ異なる法的地位が定められています。
本記事では、アメリカが所有する主要な島々を地域別に整理し、その特徴や地位について詳しく解説します。
太平洋地域の米国領土
太平洋には、ハワイ州を除く多数の島嶼・環礁が米国の管理下にあります。多くは無人で、野生生物保護区として指定されている場所もあります。
- アメリカ領サモア – 未編入領土。南太平洋に位置し、米国最南端の領土として知られています。
- ベーカー島 – 無人の未編入領土。赤道付近の小さな珊瑚島です。
- グアム – 未編入領土。西太平洋の戦略的要衝で、米軍基地が集中する重要拠点です。
- ハウランド島 – 無人の未編入領土。飛行士アメリア・イアハートの最後の飛行に関係した島として有名です。
- ジャーヴィス島 – 無人の未編入領土。現在は国立野生生物保護区となっています。
- ジョンストン環礁 – 未編入領土。かつて軍事利用されていましたが、現在は無人化されています。
- キングマン岩礁 – 無人の未編入領土。豊かな海洋生態系で知られる潜水スポットです。
- ミッドウェー環礁 – 無人の未編入領土。第二次世界大戦のミッドウェー海戦の舞台として歴史的に著名です。
- ナヴァッサ島 – 未編入領土。カリブ海に位置します(後述の通り領有権係争あり)。
- 北マリアナ諸島 – 米国と政治的に連合するコモンウェルス(自治連邦区)。サイパン島などを含みます。
- パルミラ環礁 – 編入領土。合衆国憲法が完全に適用される珍しい地位を持つ無人環礁です。
- ウェーク島 – 編入領土。太平洋横断路線の中継地であり、軍事的にも重要な位置を占めます。
カリブ海地域の米国領土
カリブ海には、人口の多い重要な二つの領土があります。
- プエルトリコ – 未編入領土(自治連邦区)。約300万人が暮らす最大の米国領土で、独自の文化と自治政府を持っています。
- 米領バージン諸島 – 未編入領土。観光業が盛んなカリブ海の人気リゾート地です。
その他の米国島嶼領土(係争中)
一部の島礁については、近隣諸国との間で領有権をめぐる争いが続いています。
- バホヌエボ礁 – コロンビアとの係争地
- セラニヤ礁 – コロンビアとの係争地
- バホ・オンダ(ボホンダ) – メキシコとの係争地
- ナヴァッサ島 – ハイチとの係争地
「未編入領土」と「編入領土」の違いとは?
米国の島嶼領土の法的地位を理解するうえで、次の区分を押さえておきましょう。
- 未編入領土(Unincorporated Territory): 合衆国の一部ではあるものの、憲法が全面的には適用されない領土。グアムやプエルトリコなどが該当します。
- 編入領土(Incorporated Territory): 合衆国の不可欠な構成部分とみなされ、憲法が完全に適用される領土。パルミラ環礁などが該当します。
- コモンウェルス(Commonwealth): 米国と政治的に連合し、高度な自治権を持つ領域。北マリアナ諸島やプエルトリコがこれにあたります。
まとめ
アメリカが所有する島々は、有人の大型領土であるプエルトリコや北マリアナ諸島から、無人の小さな環礁まで実に多様です。それぞれの歴史や戦略的重要性、法的地位を知ることで、米国の海洋領土の全体像がより明確になります。領有権をめぐる国際的な係争も存在するため、今後の動向にも注目が集まっています。