オセアニアの歴史

『ピグマリオン』の舞台設定とは?20世紀初頭ロンドンの魅力を解説

ピグマリオンの舞台は20世紀初頭のロンドン

ジョージ・バーナード・ショーの戯曲『ピグマリオン』の舞台は、20世紀への転換期にあたるエドワード朝時代のロンドンです。当時のイギリス社会では階級制度が色濃く残っており、言葉遣いや話し方、身なりがその人の社会的地位を如実に表していました。この時代背景こそが、本作の中心的なテーマを支える重要な要素となっています。

物語を彩る二つの主要な舞台

コヴェント・ガーデンの花市場

物語の幕開けとなるのは、コヴェント・ガーデンの花市場です。ここで、下層階級の花売り娘イライザ・ドゥーリトルが、発音学者のヒギンズ教授と運命的な出会いを果たします。露店で花を売る人々の生き生きとした情景は、労働者階級の暮らしぶりをリアルに伝えています。

ヒギンズ教授の研究室

もう一つの主要な舞台は、ヒギンズ教授の研究室です。イライザはここで、「貴婦人」として社交界にデビューできるようになるまで、発音と話し方の厳しい特訓を受けることになります。研究室の様子からは、音声学に情熱を注ぐヒギンズの学者らしい一面もうかがえます。

舞台設定が際立たせる二人の対比

これらの場所は、ヒギンズとイライザの間にある社会的格差を浮き彫りにする役割を果たしています。花市場はイライザの属する庶民の世界、研究室はヒギンズの知的な世界を象徴しており、この二つの空間を行き来する中で、イライザの変革と成長が描かれていきます。

さらに、ヒギンズの研究室の雰囲気からは、彼が型破りで自由気ままな性格であることや、研究一辺倒の独特な生活スタイルも読み取ることができます。舞台設定そのものが、登場人物の人物造形を深める工夫として機能している点が、本作の大きな魅力といえるでしょう。