オセアニアの歴史

世界初の地球儀を作ったのは誰?古代ギリシャのクラテスの物語

記録に残る中で最も古い地球儀は、紀元前150年頃、古代ギリシャにおいて哲学者であり天文学者でもあったマッルスのクラテス(Crates of Mallus)によって作られたとされています。

クラテスとはどんな人物?

クラテスは、現在のトルコ南部にあたるキリキア地方の都市マッルス出身の学者です。ペルガモン図書館の司書を務めたとも伝えられており、文法学者として名を馳せる一方で、地理学や天文学にも深い造詣を持っていました。

クラテスの地球儀の特徴

彼が作った地球儀は、ホメロスの叙事詩などに描かれた世界観をもとに、地球を球体として表現したものでした。当時の地理学的知識では大陸の正確な形や範囲を把握することはできませんでしたが、クラテスは気候帯(クリマ)の考え方に基づき、世界を4つの大陸に分けて表したと言われています。

現存しない「最初」の地球儀

残念ながら、クラテスが作った地球儀そのものは現存していません。しかし、同時代および後世の学者たちによる文献の記録によってその存在が確かめられており、これが人類史上初めて記録された地球儀であると考えられているのです。

こうして見ると、私たちが今日教室やオフィスで目にする地球儀の原型は、実に2000年以上も前の古代ギリシャで誕生していたことになります。科学と好奇心が育んだこの発明は、時代を超えて人々の世界への理解を支え続けています。