ノルウェーやアイスランドなど北欧の雄大な景観を象徴する「フィヨルド」。この美しい言葉は、いったいどこから来たのでしょうか。
古ノルド語「フィヨルズル」が語源
「フィヨルド(fjord)」という言葉の起源は、ヴァイキングの時代に話されていた古ノルド語(Old Norse)の「フィヨルズル(fjǫrðr)」という単語にさかのぼります。この言葉は「高い崖の間にある狭い海の入り江」を意味していました。
「渡る」という意味を持つ言葉と同じ仲間
興味深いことに、「fjǫrðr」は古ノルド語の動詞「ファーラ(fara=行く、渡る)」に関連する語と考えられています。実は英語の「フォード(ford、浅瀬)」も同じ語源を持つ親戚筋にあたります。「水を渡って進む場所」という共通のイメージが、両方の言葉に息づいているのです。
地形そのものを表す言葉へ
氷河が削り出した深く細長い湾であるフィヨルドは、まさに古ノルド語の定義どおり「険しい山や崖に囲まれた狭い入海」です。つまりこの言葉は、千年前の人々が目にした風景をそのまま表現したものだと言えます。
現在では「フィヨルド」は国際的な地理用語として広く使われ、ノルウェーのソグネフィヨルドやガイランゲルフィヨルドなど、世界遺産にも登録された絶景スポットとして多くの人々を魅了し続けています。