第一次世界大戦(1914年〜1918年)の終結は、世界の政治地図を大きく塗り替える転換点となりました。オーストリア=ハンガリー帝国とオスマン帝国の崩壊、ロシア帝国での革命などにより、ヨーロッパを中心に多くの新しい独立国家が誕生しました。この記事では、大戦後に新たに形成された主な独立国家を地域別にわかりやすく解説します。
ヨーロッパで誕生した独立国家
ヨーロッパでは、旧オーストリア=ハンガリー帝国やロシア帝国の解体に伴い、多数の新国家が生まれました。
オーストリア
かつてのオーストリア=ハンガリー帝国は複数の独立国家へと分裂しました。オーストリアはその中核となる国家の一つとして独立を果たしています。
ハンガリー
ハンガリーは、旧オーストリア=ハンガリー帝国の中東部の領域をもとに成立した独立国家です。
チェコスロバキア
チェコスロバキアは、旧オーストリア領のボヘミアとモラヴィアに、スロバキアおよびルテニアの一部を加えて合併する形で成立しました。1993年にチェコとスロバキアに分離するまで、中央ヨーロッパの重要な国家として存在し続けました。
ユーゴスラビア
ユーゴスラビアは、セルビア・クロアチア・スロベニアの各王国、さらにボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、マケドニアの一部を統合して誕生しました。多民族国家として20世紀の歴史に大きな役割を果たすことになります。
ポーランド
ポーランドは18世紀にロシア・プロイセン・オーストリアによって分割され、地図から消滅していましたが、大戦後についに独立国として復活を遂げました。
フィンランド
フィンランドは1917年、ロシア帝国からの独立を達成しました。
エストニア・ラトビア・リトアニア
バルト三国と呼ばれるこれらの国々は、いずれも1918年にロシア帝国からの独立を宣言しました。ソ連崩壊後にも再び独立を果たすという歴史の節目を経験することになります。
中東で誕生した独立国家
中東地域では、オスマン帝国の解体が新国家の形成につながりました。ただし、その多くは当初、国際連盟の委任統治領として英仏の管理下に置かれた経緯があります。
イラク
イラクは、旧オスマン帝国のバスラ・バグダッド・モスルの各州を統合して成立しました。
シリア
シリアは、ダマスカス・アレッポ・デリゾールなどの旧オスマン帝国の州域をもとに形成されました。
レバノン
レバノンは、旧オスマン帝国のレバノン山岳州を基盤として成立した国家です。
パレスチナ
パレスチナは、エルサレム・ナブルス・アッコなどの旧オスマン帝国の州域から構成される地域として位置づけられました。
トランスヨルダン(現在のヨルダン)
トランスヨルダンは、旧オスマン帝国のヨルダン川以東の地域をもとに形成され、後のヨルダン・ハシミテ王国へと発展していきます。
サウジアラビア
サウジアラビアは、アラビア半島に点在していた複数の首長国・スルタン国を統一する形で建国されました。
アフリカに関係する動き
エジプト
エジプトは1922年にイギリス帝国からの独立を達成しました。ただし当初は形式的な主権にとどまる部分もありました。
南アフリカ
南アフリカは1910年にイギリスから自治権を獲得し、実質的な独立への道を歩み始めました。
リベリア
第一次世界大戦当時、アフリカ大陸で完全な独立を保っていた国はリベリアだけでした。エチオピアも名目上は独立国でしたが、植民地主義の時代における例外的存在でした。
アジアで誕生した独立国家
トルコ
トルコは、第一次世界大戦で敗北して崩壊したオスマン帝国の残存領域をもとに、ムスタファ・ケマル(アタテュルク)の指導のもとで建国された近代国民国家です。
アフガニスタン
アフガニスタンは1919年、第三次英阿戦争の結果としてイギリスから独立を勝ち取りました。
モンゴル
モンゴルは1911年に中国からの独立を宣言しましたが、その地位は長い間不安定なものでした。
まとめ:世界地図を塗り替えた大戦後の再編
第一次世界大戦後の国際秩序の再編は、帝国の時代の終わりと民族自決の潮流の始まりを象徴するものでした。ヨーロッパではバルト三国やポーランドの復活、中東ではオスマン帝国の遺産を引き継ぐ新国家群の誕生など、この時期に形成された国家の多くが、現代の国際社会の枠組みにも深く影響を与え続けています。