「州の権限(ステーツ・ライツ)」の理論
南北戦争前のアメリカ南部において、奴隷制を正当化するために用いられたのが、いわゆる「州の権限(states' rights)」の理論です。
南部の人々は、奴隷制はあくまで各州が独自に決めるべき「州の権限に属する問題」であり、連邦政府にはこれに干渉する権利がないと主張しました。
憲法に根ざした主張
さらに彼らは、合衆国憲法が各州に対し、自らの法律や制度を自ら決定する権利を保障していると解釈しました。この解釈に立つと、奴隷を所有する権利もまた、州が判断すべき事項の一つとして位置づけられることになります。
こうした主張は、連邦政府の権限を最小限にとどめ、州の自治を重視する思想に基づくものでしたが、実際には奴隷制の維持と拡大を正当化する論理として機能することとなりました。