結論からお伝えすると——はい、存在します。アメリカ合衆国では、州や海外領土をデザインした25セント硬貨(クォーター)のうち、コレクター向けに銀(シルバー)製の特別版が発行されてきました。なかでもアメリカンサモア、ワシントンD.C.、プエルトリコに関連するクォーターには、銀貨版が実際に存在します。
流通用とコレクター用では素材が違う
日常的に流通しているクォーターは、銅とニッケルを重ねた「クラッド材」で作られており、銀は一切使われていません。一方、アメリカ合衆国造幣局がコレクター向けに販売するシルバー証明セット(Silver Proof Set)には、90%の銀を含む特別版が収録されています。さらに、同シリーズの5オンス銀貨(99.9%の純銀)も、収集・投資目的で発行されました。
銀貨になった州・地域のクォーター
アメリカンサモア
2009年の「コロンビア特別区&米領領土クォーター」シリーズで、アメリカンサモアのデザインが初めて発行されました。その後、「美しきアメリカ(America the Beautiful)」シリーズでは、アメリカンサモア国立公園を描いた2020年版が登場し、こちらもシルバー証明貨および5オンス銀貨として発売されています。
ワシントンD.C.
2009年の領土シリーズでは、ジャズ界の巨匠デューク・エリントンをあしらったD.C.クォーターが発行されました。また、2017年には「美しきアメリカ」シリーズでフレデリック・ダグラス国立史跡が採用され、これらにも銀製のコレクター版が存在します。
プエルトリコ
2009年の領土シリーズに加えて、2012年にはエル・ユンケ国有林をデザインした「美しきアメリカ」クォーターが発行されました。いずれもシルバー証明セットに収録された銀貨版があります。
なぜ銀貨版が作られるのか?
銀貨版は市中での流通を目的とせず、貨幣収集家や投資家向けの限定商品として生産されます。鏡面のような美しい仕上がりの証明貨は、細部まで精密に彫刻されたデザインが際立ち、通常の硬貨よりも高い芸術的価値を持つとされます。シリーズをコンプリートしたセットは、特に人気の収集対象となっています。
まとめ
州や地域を題材にしたアメリカのクォーターには、銀で造られたコレクター版が確かに存在します。アメリカンサモア、ワシントンD.C.、プエルトリコのデザインも例外ではありません。もし手元に古いクォーターがあるなら、ひょっとすると希少な銀貨が混ざっているかもしれません。一度チェックしてみてはいかがでしょうか。