南アメリカの歴史

第一次世界大戦開戦時、アメリカが採用した「中立政策」とは?その背景と内容を解説

第一次世界大戦開戦時のアメリカの政策

1914年に第一次世界大戦が勃発した当初、アメリカ合衆国が採用したのは「中立政策」でした。当時のウィルソン政権は、ヨーロッパで起きた紛争に介入せず、交戦国のいずれの側にも立たない姿勢を明確に打ち出しました。

中立政策の主な内容

アメリカの中立方針には、以下のような具体的な要素が含まれていました。

  • 特定の陣営への加担をしないこと:連合国側にも同盟国側にも与せず、軍事的な支援をどちらか一方に提供しないことを基本方針としました。
  • 市民への渡航自粛の呼びかけ:政府はアメリカ市民に対し、交戦国(ベルリゲレント・ネーション)の船舶に乗って移動することを避けるよう勧告しました。
  • 自己責任での渡航に関する警告:それでも交戦国の船に乗船する場合、その危険は旅行者自身が負うものであると、公式に警告を発しました。

中立政策を採った背景

アメリカが中立を選んだ背景には、いくつかの理由があります。まず、大西洋を隔てたヨーロッパの紛争は「遠い戦争」であり、直接の国益に関わるものではないという認識が広く共有されていました。また、国内にはさまざまな移民出身者が暮らしており、特定の交戦国を支持すれば国民の分裂を招きかねないという事情もありました。

さらに、戦争による人的・経済的損失を回避したいという思惑も強く働いていました。実際、この時期のアメリカは中立を保ちながら、交戦国双方との貿易を通じて経済的な利益を得ていくことになります。

まとめ

第一次世界大戦の開始時にアメリカが採用したのは、交戦国のいずれにも加担せず、軍事支援も行わない中立政策でした。同時に政府は、市民が交戦国の船舶を利用して移動することを避けるよう勧告し、乗船する場合は危険を自己責任で負うことを明言しました。ただし、この中立は最終的に維持されず、ドイツによる無制限潜水艦作戦やツィンメルマン電報などの出来事を経て、アメリカは1917年に連合国側として参戦することとなります。