ブラジルの領土を決めたのは「トルデシリャス条約」
アメリカ大陸における現在のブラジルにあたる土地は、1494年に締結されたトルデシリャス条約によってポルトガルに与えられました。この条約は、大航海時代におけるスペインとポルトガルの植民地争いを解決するために結ばれた、歴史的に非常に重要な国際協定です。
トルデシリャス条約とは?
1492年、コロンブスが新大陸に到達したことをきっかけに、スペインとポルトガルの間で未知の土地をめぐる対立が深刻化しました。そこで両国は、ローマ教皇の仲介も受けながら交渉を行い、カーボベルデ諸島の西約370リーグ(約1,770キロメートル)を通る経線を境界線として定めました。
- 境界線より西:スペインが優先的な権利を持つ(南北アメリカ大陸の大部分)
- 境界線より東:ポルトガルが優先的な権利を持つ(南米東端、現在のブラジル)
なぜブラジルだけポルトガル語圏なのか?
この条約の結果、南米大陸では例外的にブラジルのみがポルトガルの植民地となりました。そのため、周辺諸国がすべてスペイン語を公用語とする中で、ブラジルだけが世界最大のポルトガル語圏国家として発展することになったのです。
興味深いことに、当時の測量技術は不正確で、境界線の正確な位置を知ることは困難でした。その結果、ポルトガルは境界線より西側へも実効的に勢力を拡大し、ブラジルの国土は現在のような広大な範囲へと成長していきました。
その後の条約による修正
1750年のマドリード条約では、実際の占領状況に基づいて境界線が見直され、「現実支配の原則」(ウティ・ポッシディス・ユリス)が採用されました。これにより、ブラジルの領域はさらに拡大し、ほぼ現在の形が確定していきました。
まとめ
現在のブラジルにあたる土地は、1494年のトルデシリャス条約によってポルトガルに与えられたものです。この一つの条約が、今日の中南米における言語分布や国境線を決定づけたといっても過言ではありません。