南アメリカの歴史

ベトナム戦争終結――最後にベトナムを去ったアメリカ兵は誰だったのか?

サイゴン陥落とアメリカの撤退

アメリカによるベトナムへの軍事介入は、1975年4月30日のサイゴン陥落をもって公式に終焉を迎えました。北ベトナム軍が南ベトナムの首都サイゴン(現在のホーチミン市)へ迫る中、アメリカ政府は自国民および軍関係者を対象とした大規模な撤退作戦を実施します。これが「フリクエント・ウィンド作戦」と呼ばれるものでした。

大使館の屋上から始まった最後の脱出

1975年4月30日の朝、サイゴンは陥落寸前にありました。市街地へ北ベトナム軍が進入するなか、在サイゴン米国大使館では、海兵隊員たちが大使館の屋上や周辺の建物の上にヘリコプター着陸地点を設営し、次々とヘリコプターを着陸させて人々の退避を支援していました。

ヘリコプターは何度も往復を重ね、アメリカ人市民や国外脱出を望むベトナム人を次々と運び出しました。しかし、すべての人を乗せきれないまま、撤収の時刻は刻々と迫っていたのです。

「最後に去った男」フアン・バルデス曹長

一般に、戦争終結時に最後にベトナムを離れたアメリカ人として知られているのは、大使館の警備を担当していた海兵隊のフアン・J・バルデス(Juan J. Valdez)曹長です。1975年4月30日午前、彼は大使館屋上から発進する最後のヘリコプターに乗り込み、サイゴンの空へ舞い上がりました。

バルデス曹長は後に著書『The Last Man Out(最後に去った男)』でこの経験を綴っています。彼がベトナムの大地を後にした瞬間、アメリカのベトナムにおける軍事的存在は正式に幕を閉じたのです。

その後のベトナム

アメリカ人の完全撤退からわずか数時間後、南ベトナム政府は降伏しました。こうして長い戦争は終結し、ベトナムは共産主義政権の指導のもとで南北統一を果たすことになります。約20年に及ぶ戦争は、両国の歴史に深く消えることのない傷跡を残しました。