南アメリカの歴史

クロー族(カラス・インディアン)はいつから存在した?13世紀に遡る歴史と文化

クロー族(Crow、自称は「アプサアロケ/Apsáalooke」)は、北米大陸の先住民族であり、現在のアメリカ合衆国グレートプレーンズ(大平原)地域、とりわけイエローストーン川流域で長く暮らしてきた人々です。彼らの歴史は、少なくとも13世紀まで遡ることができるとされています。

クロー族の起源:西方への移動

言語学的研究や口承伝承によれば、クロー族はもともと五大湖周辺に住んでいたヒダーツァ族と共通の祖先を持つ民族集団から分かれたと考えられています。その後、何世紀にもわたって西方へと移動を重ね、18世紀にヨーロッパ人から馬が導入されると、平原での遊動的な生活様式を確立しました。

「カラス」という名前の由来

興味深いことに、「カラス(Crow)」という呼び名は誤訳によるものだと言われています。彼らの自称である「アプサアロケ」は「大きな嘴を持つ鳥の子ら」を意味し、実際にはワタリガラスではなく別の鳥を指していたとされます。この名前が英語圏で「カラス」と訳されたことから、今日の呼称が定着しました。

馬術・狩猟・芸術に優れた文化

クロー族は、卓越した馬術、バッファロー狩りの技術、そして精緻なビーズ細工や伝統衣装といった芸術的才能で広く知られています。口承文学、儀式、社会組織の中に受け継がれてきた複雑な文化と伝統は、世代から世代へと脈々と引き継がれてきました。

アメリカ史における役割と現代のクロー族

クロー族はアメリカ合衆国の歴史においても重要な役割を果たしています。19世紀には平原の覇権をめぐる争いの中で米国陸軍との協力関係を結び、偵察兵として活動したことで知られています。

今日、クロー族の多くはモンタナ州南部のクロー・インディアン保留地に居住し、独自の政府、言語教育、伝統行事を通じて、活気あるコミュニティとして存在し続けています。13世紀からの長い歴史を持つ彼らの歩みは、北米先住民文化の豊かさと強靱さを象徴するものといえるでしょう。