南アメリカの歴史

フランクリン・D・ルーズベルトはどうやって米国を大恐慌から救ったのか?ニューディール政策の全貌

ニューディール政策とは

フランクリン・D・ルーズベルト大統領が推進した「ニューディール政策」は、世界恐慌(大恐慌)のさなか、何百万人もの失業者に救済の手を差し伸べ、経済成長を促進するために設計された一連の計画・事業・改革の総称です。

米国を大恐慌から導いた8つの主要政策

1. ニューディール連合(New Deal Coalition)

ルーズベルトは、都市部の労働者階級、農民、貧困層、アフリカ系アメリカ人など、多様なグループからの支持を結集し、「ニューディール連合」と呼ばれる強固な支持基盤を築き上げました。この連合の存在こそが、彼の政策を議会で成立させる大きな原動力となりました。

2. 民間自然保護隊(CCC)

1933年に創設された民間自然保護隊(Civilian Conservation Corps)は、若い男性たちを植林、遊歩道の整備、公園の建設といった自然保護事業に雇用しました。参加者に収入をもたらすと同時に、環境改善にも貢献した画期的な雇用制度です。

3. 社会保障法(Social Security Act)

1935年に成立した社会保障法は、全国規模の社会保険制度を確立し、高齢者、失業者、障害者に対する経済的支援を提供しました。この制度は今日まで続くものであり、何百万人ものアメリカ人にとって不可欠なセーフティネットとして機能し続けています。

4. 公共事業振興局(WPA)

1935年に設立された公共事業振興局(Works Progress Administration)は、道路や橋、公共建築物の建設、さらには芸術プロジェクトまで、多岐にわたる事業を通じて失業者に大量の雇用を創出しました。

5. 農業調整局(AAA)

1933年に設立された農業調整局(Agricultural Adjustment Administration)は、農産物価格の下落に対処するために創設されました。農家に生産削減へのインセンティブを与えるなどの施策を実施し、農業所得の安定と農産物価格の維持を図りました。

6. グラス・スティーガル法(Glass-Steagall Act)

1933年に成立したグラス・スティーガル法は、預金を扱う商業銀行と、リスクの高い業務に従事する投資銀行を分離するという銀行部門の大改革を実現しました。1929年の株価大暴落を引き起こしたような危険な金融行動を防ぐことが目的でした。

7. 住宅所有者ローン公社(HOLC)

1933年に創設された住宅所有者ローン公社(Home Owners' Loan Corporation)は、住宅ローンの返済不能により住居を失う危機に瀕していた住宅所有者に対して借り換えの選択肢を提供し、住宅市場の安定化に大きく貢献しました。

8. 証券取引委員会(SEC)

1934年に設立された証券取引委員会(Securities Exchange Commission)は、株式市場を監督・規制し、投資家を保護するとともに、証券取引の透明性と公正さを確保することを任務としました。

まとめ

以上は、ニューディール政策を構成する数多くの政策・プログラムのごく一部にすぎません。すべての政策が即座に成功を収めたわけではなく、後に批判されたり修正されたりしたものもあります。しかし、その多くは米国を大恐慌から脱出させる上で決定的な役割を果たし、その後長年にわたるアメリカの経済・社会構造の形成にも深い影響を与えました。