アフリカから連れ去られた大多数の奴隷は、強制的に南北アメリカ大陸の植民地へと移送されました。16世紀から19世紀にかけて続いた大西洋奴隷貿易において、奴隷たちは西アフリカ沿岸を出発地とし、主にブラジルやカリブ海諸島、北米大陸へと運ばれていきました。
主な終着地:南北アメリカ大陸
歴史学的な推計によれば、大西洋を渡った奴隷のおよそ4割以上がブラジルに送られており、これはすべての仕向地の中で最も多い数です。次いで多かったのがカリブ海地域(ジャマイカ、バルバドス、サン=ドマング=現在のハイチなど)で、砂糖プランテーションの労働力として大量の奴隷が求められました。一方、現在のアメリカ合衆国にあたる北米大陸へ運ばれたのは全体のごく一部にとどまりますが、そこでも綿花やタバコの農園で過酷な労働に従事させられました。
アフリカ側の主な出発地
大西洋奴隷貿易における奴隷たちの主な出発地は、アフリカ西岸沿いの以下の地域でした。
上ギニア(Upper Guinea)
現在のセネガル、ガンビア、ギニアビサウ、ギニア、シエラレオネ、リベリアにあたる地域です。大西洋奴隷貿易の初期段階では、移送された奴隷の大きな割合をこの地域が占めていました。
下ギニアと中央アフリカ西部(Lower Guinea)
現在のアンゴラ、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、ガボンなどにあたる地域です。貿易が後期に進むにつれて、ここが最大級の供給源となり、とりわけアンゴラとコンゴ地域は全体でも有数の出発地とされています。
ビアフラ湾(Bight of Biafra)
現在のナイジェリア、カメルーン、赤道ギニアに面した海域です。ここも重要な奴隷の供給源であり、多くの人々がこの湾岸から船に積み込まれて大西洋を渡りました。
ベニン湾(Bight of Benin)
現在のベナン、トーゴ、ガーナ周辺に位置するこの地域も、「奴隷海岸」と呼ばれるほど奴隷貿易に深く関わっていました。
まとめ
大西洋奴隷貿易は上記の地域だけに限られたものではありませんが、アフリカ西岸が圧倒的多数の奴隷たちの出発点であり、その終着点は主に南北アメリカ大陸——とりわけブラジルとカリブ海の植民地でした。この貿易は数百年にわたり数百万人規模の人々を強制的に移住させ、両大陸の歴史と社会に深くて長い影響を残し続けています。