バーンズのヴェルサイユ条約批判の概要
歴史学者ハリー・エルマー・バーンズは、ヴェルサイユ条約がドイツに対してあまりにも厳しい内容であり、それが第二次世界大戦勃発の一因となったと主張しています。彼はこの見解を裏付けるために、以下のような複数の論点を挙げています。
1. 集団的罪責(戦争責任)の問題
条約は「集団的罪責」の原則に基づき、第一次世界大戦の勃発についてドイツに全面的な責任を負わせていました。しかしバーンズは、開戦には数多くの要因が絡んでおり、ドイツ一国だけが責任を負わされるのは不公平だと批判しています。
2. 過酷な経済制裁
条約はドイツに莫大な賠償金をはじめとする厳しい経済制裁を課し、その経済を麻痺させ、広範な貧困と失業をもたらしました。バーンズは、これによりドイツの戦後復興が著しく妨げられ、結果としてナチ党の台頭を助長したと指摘しています。
3. 領土の剥奪
条約によってドイツは、アルザス=ロレーヌやエウペン=マルメディを含む多くの領土を失いました。バーンズはこれを不当な処置とみなし、ドイツ国民に深い屈辱感と復讐心(ルヴァンシスム)を抱かせたと述べています。
4. 軍備の制限
さらに条約は、ドイツに軍備の放棄と軍事力の大幅な削減を義務付けました。バーンズは、このことでドイツが外部からの攻撃に対して脆弱な状態に置かれ、それが第二次世界大戦の勃発につながったと主張します。
まとめ
以上のように、バーンズはヴェルサイユ条約がドイツにとって過酷すぎるものであり、第二次世界大戦の勃発に寄与したと結論づけています。彼の目には、この条約は不公平で、経済的に破壊的であり、政治的な不安定化を招くものとして映りました。そして最終的にはナチ党の台頭と世界大戦への道を開いた――これがバーンズの一貫した主張です。