ヨーロッパの歴史

オリバー・クロムウェルは国王に戴冠したのか?護国卿としての実像を解説

結論:クロムウェルは国王として戴冠していない

オリバー・クロムウェル(1599年〜1658年)は、イングランド内戦で王党派を打ち破った清教徒革命の指導者ですが、国王として戴冠したことは一度もありません。

1653年、彼はイングランド・スコットランド・アイルランド共和国の「護国卿(ごこくきょう/ロード・プロテクター)」に就任し、1658年9月3日に死去するまでその地位にありました。事実上の国家元首として強大な権力を握りましたが、あくまでも共和国の統治者であり、正式な君主ではなかったのです。

王位の申し出を辞退した経緯

興味深いことに、1657年には議会から王位への就任を打診される場面もありました(いわゆる「謙虚な請願」)。しかしクロムウェルは、軍部や共和主義者からの反発を懸念してこれを辞退しています。結果として、彼は生涯にわたり「王冠を戴かぬ王」と呼ばれる存在であり続けました。

死後の展開と王政復古

クロムウェルの死後、息子のリチャード・クロムウェルが後継の護国卿となりましたが、政治的手腕を欠いて短期間で退任。混乱の末、1660年には王政復古が実現し、チャールズ2世が国王として帰還しました。