1938年は、第二次世界大戦へと向かう世界情勢が大きく動いた年でした。ヨーロッパではナチス・ドイツの拡張主義が加速し、その影響は世界中に及びました。ここでは、1938年に起こった主要な出来事と、それらが歴史に残した影響を詳しく解説します。
1. アンシュルス(オーストリア併合)
出来事の概要
1938年3月12日、ドイツ軍がオーストリアに進駐し、両国の併合(アンシュルス)が実現しました。これはナチス・ドイツによる最初の大規模な領土拡張であり、戦前ヨーロッパの緊張を一気に高める契機となりました。
歴史的影響
アンシュルスにより、ドイツは国土と人口を大幅に増やし、石油や石炭といった重要な戦略資源を手に入れました。これによりヨーロッパのパワーバランスは大きく崩れ、ヒトラーやナチ党の勢いはさらに強まりました。結果として、他国がナチス・ドイツの侵略的な政策に対抗することは、ますます困難になっていったのです。
2. ミュンヘン会談(ミュンヘン協定)
出来事の概要
1938年9月30日、ドイツ・イタリア・イギリス・フランスの4カ国がミュンヘン協定に調印し、ドイツによるチェコスロバキアのズデーテン地方併合が認められました。当時の英仏首脳による「宥和政策」を象徴する出来事です。
歴史的影響
ヒトラーにとって、ミュンヘン協定は戦争を回避しながら領土拡大という目的を達成できた大きな外交的勝利でした。一方でチェコスロバキアは著しく弱体化し、その後のドイツのさらなる侵略に対して極めて脆弱な立場に置かれることになりました。
3. 水晶の夜(クリスタルナハト)
出来事の概要
1938年11月9日から10日にかけて、ナチスはドイツ全土およびオーストリアでユダヤ人に対する暴虐行為(ポグロム)を実行しました。「水晶の夜」と呼ばれるこの事件では、シナゴーグ(ユダヤ教会堂)が焼き払われ、ユダヤ人の住宅や商店が略奪され、数千人のユダヤ人が逮捕されました。
歴史的影響
水晶の夜はホロコーストにおける重大な転換点であり、ナチスによるユダヤ人への組織的な迫害の始まりを象徴する出来事です。同時に、国際社会からの非難を一層強めることとなり、宥和政策の継続を困難にしました。
4. スペイン内戦
出来事の概要
スペイン内戦は1936年7月18日、フランシスコ・フランコ将軍率いる軍部勢力が民選政府に対して反乱を起こしたことで始まりました。戦争は1939年4月1日まで続き、最終的にフランコ率いる国民派の勝利に終わりました。
歴史的影響
スペイン内戦は国内勢力だけでなく、ドイツやソ連など国際的な勢力も介入した大規模な紛争でした。政治的対立を先鋭化させ、各国間の同盟形成を促すなど、ヨーロッパのパワーバランスのみならず、後の冷戦構造にも大きな影響を与えました。
まとめ
1938年のこれらの出来事は、いずれも第二次世界大戦への道筋を形作る重要な転換点でした。ナチス・ドイツの拡張主義、国際社会の対応、そして迫害の激化――この年の動きを理解することは、20世することは、20世紀の歴史全体を把握する上で欠かせません。