第二次世界大戦によって国土と経済に深刻な打撃を受けたフランスでしたが、その復興は多くの人々の予想をはるかに上回る速さで進みました。占領と解放の混乱を経ながらも、フランスはわずか数年で欧州有数の経済大国としての地位を取り戻していきます。
戦争が終わる前から始まっていた復興
特筆すべきは、復興作業が1944年、第二次世界大戦がまだ終結する前にすでに始まっていたという点です。ノルマンディー上陸作戦以降、フランス領土が次々と解放されるにつれ、シャルル・ド・ゴール率いる暫定政府は橋梁や鉄道、港湾などのインフラ復旧に着手しました。戦火で破壊された交通網は労働者たちの手で急ピッチで修復され、石炭や電力といった基幹産業の生産も急速に立ち上がっていきます。
マーシャル・プランによる強力な後押し
復興を決定的に加速させたのが、アメリカによるヨーロッパ復興援助計画、いわゆるマーシャル・プランです。1948年に始まったこの計画により、フランスは約23億ドルという巨額の援助を受け取りました。これは同計画全体の中でも最大級のものであり、資金はインフラ整備や産業の近代化に幅広く投じられました。
また、ジャン・モネが主導した「モネ・プラン」と呼ばれる経済近代化計画も並行して推進され、石炭・鉄鋼・電力などの基幹産業への重点投資が行われました。これらの政策が相まって、フランスの工業生産は1940年代末には戦前の水準を回復することになります。
1950年代初頭には経済的回復を達成
こうした努力の結果、フランスは1950年代初頭には経済的な強さを完全に取り戻しました。通貨・財政の安定化と生産設備の近代化が実を結び、国際競争力も着実に高まっていきます。
さらに、この時期から始まった高度成長期は、後に「栄光の30年(レ・トラント・グロリウーズ)」と呼ばれ、1970年代半ばまでフランスの繁栄を支えることになります。第二次世界大戦からの復興に要した時間は、実質的に数年程度――それほどフランスの再建は迅速だったのです。