ベルサイユ講和会議が塗り替えたヨーロッパの地図
第一次世界大戦の終結を受けて1919年に開催されたベルサイユ講和会議(パリ講和会議)は、ヨーロッパの政治地図を大きく塗り替える転換点となりました。敗戦国となったオーストリア=ハンガリー帝国の解体、ドイツ帝国やロシア帝国の崩壊に伴い、これまで存在しなかった、あるいは失われていた多くの国家が新たに誕生することになったのです。
講和会議によって成立した主な新国家
- ユーゴスラビア — 現在のスロベニア、クロアチア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナなどを含む、南スラヴ民族の統一国家として成立しました。
- チェコスロバキア — 現在のチェコ共和国とスロバキアから構成される国家で、1993年に平和裏に分離するまで一つの国として存続しました。
- ポーランド — 18世紀末の領土分割以来、約120年ぶりに独立を回復しました。
- フィンランド — ロシア革命を機に独立を宣言し、その後国際的に承認されました。
- エストニア — ロシア帝国の崩壊後に独立を果たしたバルト三国の一つです。
- ラトビア — 同じくバルト地方に位置し、独立国家としての道を歩み始めました。
- リトアニア — バルト三国の一つとして、中世以来となる独立を取り戻しました。
- オーストリア — 多民族国家だったオーストリア=ハンガリー帝国の解体により、ドイツ語圏の共和制国家として独立しました。
- ハンガリー — 帝国解体に伴い、マジャール人を中心とした独立国家として成立しました。
新国家>新国家誕生の歴史的意義
これらの新国家の多くは、当時提唱されていた「民族自決」の理念に基づいて建国されました。しかし、国境線の画定には各民族の混住地域などの複雑な問題が残り、後のヨーロッパ情勢にも大きな影響を与えることになります。それでも、抑圧されてきた諸民族が自らの国家を持つきっかけとなった点で、ベルサイユ講和会議は20世紀ヨーロッパ史における重要な節目といえます。