ヨーロッパの歴史

2023年現在も残るヨーロッパ諸国の植民地・海外領土とは?

20世紀後半の脱植民地化の波により、世界のほとんどの植民地は独立を果たしました。しかし2023年現在でも、一部の国々は海外領土や自治領という形で宗主国との関係を維持しています。ここでは、ヨーロッパ諸国が今も保有する主な領土について詳しく見ていきましょう。

国連が定める「非自治地域」は17か所

国際連合は、まだ独立も自治政府の樹立も果たしていない地域を「非自治地域」としてリストアップしており、2023年時点で17か所が登録されています。これらは主にイギリス、アメリカ、フランス、ニュージーランドなどが管理しており、住民投票や自治権の拡大を通じて、将来的な独立の道が模索されています。

ヨーロッパ各国の主な海外領土

イギリス

最も多くの海外領土を持つのがイギリスです。ジブラルタル、フォークランド(マルビナス)諸島、バミューダ、ケイマン諸島、タークス・カイコス諸島、モントセラト、アンギラ、英領バージン諸島、セントヘレナ、ピトケアン諸島など、カリブ海から南大西洋、地中海まで広範囲に及びます。中でもジブラルタルはスペインとの間で、フォークランド諸島はアルゼンチンとの間で、それぞれ主権をめぐる対立が続いています。

フランス

フランスはニューカレドニアとフランス領ポリネシアを非自治地域として抱えています。ニューカレドニアでは独立の是非を問う住民投票が3回実施されましたが、独立派と反対派の対立は依然として解消されていません。一方、グアドループやマルティニークなどの海外県は、フランス本土と同等の地位を与えられています。

オランダ

オランダは2010年の憲法改正により、旧オランダ領アンティルを解体しました。現在はキュラソーとシント・マールテンを自治権を持つ「構成国」とし、ボネール、シント・ユースタティウス、サバを特別自治体として組み込んでいます。形式的には植民地ではなくなりましたが、カリブ海には今もオランダ王国の領土が存在します。

デンマークとノルウェー

デンマークは、高度な自治権を持つグリーンランドとフェロー諸島を統治しています。特にグリーンランドでは独立志向が強く、資源開発と絡めて将来の独立が活発に議論されています。ノルウェーは北極圏のスヴァールバル諸島や南大西洋のブーベ島などを保有しています。

スペインとポルトガル

スペインは北アフリカ沿岸の飛地であるセウタとメリリャを保持しており、モロッコとの間で主権問題を抱えています。ポルトガルのアゾレス諸島とマデイラ諸島は、自治権を持つ「自治地域」として位置づけられています。

ヨーロッパ以外にも残る属領

ヨーロッパ以外では、アメリカがグアム、米領サモア、プエルトリコなどを、ニュージーランドがトケラウを、オーストラリアがクリスマス島やノーフォーク島などを管理しています。チリのイースター島も特別な地位を持つ地域の一例です。

まとめ

2023年現在、かつてのような完全な意味での「植民地」は大幅に減少したものの、イギリス、フランス、オランダ、デンマーク、ノルウェー、スペイン、ポルトガルといったヨーロッパ諸国は、さまざまな形で海外領土を維持しています。これらの地域の多くは一定の自治権を持ちながらも、国防や外交を宗主国に依存しており、今後どのように独立や地位の変化が進むのかが注目されます。