ヨーロッパの歴史

ナショナリズムの広がりは18世紀のドイツにどのような影響を与えたのか?

結論:18世紀のドイツへの影響は限定的

ナショナリズムは、18世紀のドイツに大きな影響を与えたとは言えません。当時のドイツは神聖ローマ帝国のもとで数百もの領邦国家に分かれており、「ドイツ国民」としての統一された意識はまだ存在していませんでした。啓蒙思想の時代においては、国民国家よりも普遍的な理性や世界主義(コスモポリタニズム)が知識人の間で重視されていたことも、その背景にあります。

ナショナリズムが芽生えたきっかけ

とはいえ、18世紀後半にはその萌芽が見られます。思想家ヨハン・ゴットフリート・ヘルダーは、言語や文化こそが民族の本質であると論じ、文化的ナショナリズムの基礎を築きました。また、ゲーテやシラーらによる文学活動も、後にドイツ的アイデンティティを育む土壌となりました。

19世紀における本格的な台頭

ドイツにおけるナショナリズムが本格的に広がったのは、主として19世紀に入ってからです。1806年のナポレオンによるプロイセン占領と屈辱的な講和は、ドイツ人たちに強い民族的覚醒をもたらしました。フィヒテの『ドイツ国民に告ぐ』などの演説や、シュライエルマッハーらの活動を通じて、対仏抵抗の精神と結びついた政治的ナショナリズムが形成されていきます。

その後、1848年の三月革命を経て、ビスマルクの主導する統一政策へと流れが進み、1871年のドイツ帝国成立によって、ナショナリズムはついに国家統一という具体的な成果を結実させました。

まとめ

このように、ナショナリズムは18世紀のドイツにはほとんど影響を及ぼしませんでしたが、19世紀には国家の分裂からの統一、歴史の発展を左右する決定的な力となったのです。