ヨーロッパの歴史

イギリスの植民地貿易規制策:どれが「貿易規制」ではなかったのか?

問題

イギリスは以下のすべての手段を通じて植民地貿易を規制しようとしましたが、例外となるのはどれでしょうか?

  • (A) 糖蜜法(Molasses Act)
  • (B) 砂糖法(Sugar Act)
  • (C) 印紙法(Stamp Act)
  • (D) タウンゼンド諸法(Townshend Acts)

正解

正解は (C) 印紙法(Stamp Act)です。

解説

印紙法は1765年に制定された法律で、植民地内のあらゆる紙製品——新聞、法律文書、契約書、パンフレットなど——に対して課税を行うものでした。この法律は商品の取引や流通そのものを規制するものではなく、紙類への直接課税であったため、貿易規制策には該当しません。

一方、その他の選択肢はいずれも貿易の管理・規制を目的とした法律でした。

  • 糖蜜法(1733年):フランス領西インド諸島など非イギリス領からの糖蜜輸入に高い関税を課し、植民地の貿易先をイギリス側に限定しようとしました。
  • 砂糖法(1764年):砂糖や糖蜜への関税を引き下げつつ徴収を厳格化し、密貿易の取り締まりを大幅に強化しました。
  • タウンゼンド諸法(1767年):ガラス、鉛、塗料、紙、茶といった日用品に関税を課し、貿易を通じて植民地から歳入を確保することを目指しました。

これらの法律は、商品の輸出入や流通に介入することでイギリス本国の利益を守る「貿易規制」という共通の性格を持っていました。しかし印紙法だけは、貿易品目ではなく日常的な文書類に直接課税するものであり、その性質が根本的に異なっていたのです。