ヨーロッパの歴史

パリ条約(1783年)におけるアメリカ側の条件とは?

パリ条約(1783年)におけるアメリカ側の主な条項

1783年に調印されたパリ条約は、アメリカ独立戦争を正式に終結させた歴史的な平和条約です。この条約でアメリカ合衆国とグレートブリテン(イギリス)の間に合意された、アメリカ側に関わる主な条項は以下の通りです。

1. アメリカ独立の承認

イギリスは、アメリカ合衆国を自由で主権を持つ国家として正式に承認しました。これは条約全体の中核をなす、最も重要な条項です。

2. 国境線の確定

アメリカ合衆国の領土範囲が、以下のように明確に定められました。

  • 北部:大西洋からウッズ湖まで、イギリス領北アメリカとの国境は北緯49度線に沿って引かれました。
  • 西部:ミシシッピ川が西の境界とされ、その水源から北緯31度までがイギリスとの国境となり、そこから東へアパラチコラ川まで、さらに南へメキシコ湾へと至るとされました。
  • 南部:アパラチコラ川からミシシッピ川まで、スペインとの国境は北緯31度線に沿って設定されました。

3. 漁業権の保障

アメリカの漁民には、ニューファンドランド島沖およびセントローレンス湾での漁業権が認められました。これは漁業に依存するニューイングランド地方の経済にとって極めて重要な権利でした。

4. 戦前債務の支払い

アメリカ合衆国は、独立戦争以前にイギリス人に対して負っていたすべての負債を支払うことに同意しました。これは新国家の信用を確立する上で重要な取り決めでした。

5. 没収財産の回復

戦争中に没収された財産については、当該の所有者がそれを取り戻すことが認められました。ただし、この条項の実際の履行をめぐっては、後年両国間で多くの摩擦が生じることになりました。