アメリカ独立戦争(1775年〜1783年)において、フランスがアメリカ側を大規模に支援したことはよく知られています。しかし、その理由はロシアを打ち倒すためではありません。フランスがアメリカを支援した真の目的は、当時最大のライバルであったイギリスの力を弱めることにあったのです。
フランスの主な目的:イギリスへの対抗
18世紀後半のヨーロッパにおいて、フランスとイギリスは植民地や海上貿易をめぐって激しく覇権を争っていました。北米に独立国家が誕生すれば、イギリスの北米における勢力と影響力は大きく削がれ、その分だけフランスが自国の地位を高められると考えたのです。アメリカへの支援は、まさに一石二鳥の戦略でした。
七年戦争の敗北という復讐心
もう一つの重要な動機が、七年戦争(1756年〜1763年)での敗北に対する復讐心でした。この戦争でフランスはカナダなど北米の広大な領土をイギリスに奪われ、深い屈辱を味わっていました。イギリスの足元を崩す絶好の機会として、アメリカ独立運動への本格的な支援を決断したのです。
具体的な支援の内容
1778年には仏米同盟条約が締結され、フランスは正式にアメリカ側として参戦しました。ラファイエット侯爵ら将校の派遣、武器や資金の供与にとどまらず、最終的には陸海軍による直接的な軍事介入まで実施し、1781年のヨークタウンにおける決定的な勝利に大きく貢献しています。
つまり、フランスの支援は単なる理想主義や友情ではなく、イギリスに対抗するという冷徹な国家戦略に基づいたものだったのです。