ヌエバ・エスパーニャの頂点に立った階級「ペニンスラレス」
スペイン領植民地時代のメキシコ、すなわち「ヌエバ・エスパーニャ(新スペイン)」において、最も強大な権力を握っていた社会階級はペニンスラレス(Peninsulares)と呼ばれる人々でした。彼らは「半島民」を意味し、イベリア半島であるスペイン本国で生まれ、その後植民地へ渡った白人です。
ペニンスラレスが持っていた特権と権力
ペニンスラレスは、植民地社会におけるあらゆる重要なポストを独占していました。
・政治:総督や高位官僚など、植民地政府の最高職をほぼすべて占有
・軍事:軍隊の指揮官クラスの地位を握る
・宗教:司教や高位聖職者など、カトリック教会の要職を担当
さらに経済面でも、彼らは広大な土地や鉱山、商業施設といった主要な資産の多くを所有し、植民地経済を支配していました。
「純粋なスペイン血統」という身分意識
ペニンスラレスは、自らを「純粋なスペイン人の血を引く者」とみなし、植民地社会で最も格式高い存在であると考えていました。この意識は、彼らが現地で生まれた白人(クリオージョ)や混血の人々(メスティーソなど)、先住民に対して優越感を抱く一因となり、混血の人々を見下す態度につながりました。
厳格な身分制社会が生んだ矛盾
このように、ヌエバ・エスパーニャでは出生地と血統によって社会的地位がほぼ決定される厳格なヒエラルキーが存在しました。ペニンスラレスが特権を独占する一方で、現地生まれのクリオージョは高い教育を受けながらも要職から排除され、この不満がやがてメキシコ独立運動の大きな原動力の一つとなったのです。