二本足歩行の人類(約350万年前・東アフリカ)
タンザニアでは、人類の祖先(ホミニド)が二本足で歩き、固まった火山灰の上に足跡を残していました。この火山灰は「タフ」と呼ばれる堆積物のもととなるもので、条件がそろえば足跡を数百万年ものあいだ保存することができます。
地面に刻まれた痕跡
そこにはホミニドの足跡だけでなく、毎年恒例の大移動に向かう多数の陸上動物や鳥類の痕跡も残されており、そのすべてが北へ向かっていました。どの種類のホミニドが足跡を残したのかは特定されていませんが、大人2人と子供1人の計3体分であると考えられています。興味深いことに、3人のうち最も小柄な大人は、最も大きな個体の足跡を意図的になぞるように歩いていたのです。
足跡からわかること
最大の足跡の長さは18〜23cmで、火山灰に残った深さから、身長は1.20〜1.50mほどだったと推定されています。また、足跡の様子から、3人のうちの1人が灰の広がりを横断する途中で立ち止まり、左側を見たことも判明しています。これは、この地域に生息していた捕食動物への警戒だった可能性があります。さらに、ホミニドの足跡の道筋には、子馬を伴って小走りに進む馬の足跡が交差していることもわかっています。
先史時代への貴重な手がかり
これらの足跡は、人類がいつ二足歩行を獲得したのかを示す重要な証拠であり、先史時代の人類の行動や、当時の動物たちの生態を知るうえでかけがえのない資料となっています。