古代の歴史

スイス軍制式突撃銃SIG-550の性能・特徴を徹底解説

スイス軍制式突撃銃SIG-550の性能・特徴を徹底解説

SIG-550とは

SIG-550は、スイス・アームズ(旧SIG Arms AG)が製造するスイス軍の制式突撃銃(スイス軍での名称は「Fass 90」)です。1980年代に設計され、1988年からスイス軍への配備が段階的に開始され、同じくSIG社が製造していた旧式のStgw 57(Fass 57)を更新しました。

20年以上にわたる実戦配備の中で、SIG 550は多彩なバリエーションモデルへと発展し、各国の特殊部隊や介入部隊にも輸出されています。整備性と精度に優れた名銃として今なお高い評価を受け、SIG社のロングガン部門における看板製品であり続けています。

開発の経緯

SIG-550のルーツは1960年代に遡ります。最初に開発された試作型「SG 530-1」は量産には至りませんでした。続いて、当初から輸出市場を意識して設計された「SIG-Manurhin SG-540/542/543」シリーズが登場し、これらはフランス国内で製造されました。こうした開発経験を集大成した結果が、SIG-550の誕生につながったのです。

基本スペック

種類:突撃銃(アサルトライフル)
使用弾薬:5.6mmスイス弾(スイス民兵用)/ 5.56mm NATO弾(輸出版)
メーカー:スイス・アームズ(Swiss Arms)
使用期間:1980年代半ば~現在
重量:約4.1kg(装填なし)
全長:1,000mm(ストック展開時)/ 772mm(ストック折りたたみ時)
銃身長:528mm

技術諸元

作動方式:回転式ボルトヘッド
最大射程:3,300m
有効射程:600m
発射速度:毎分600発または900発
初速:905m/s
装弾数:20発または30発(100発タイプもあり)

技術的な特徴

スイス国内向けの制式モデルは、標準射程300mを想定して設計された5.6mmスイス弾を使用します。一方、輸出版は5.56mm NATO弾に対応しています。

SIG 550/551/552シリーズの興味深い特徴の一つが、半透明プラスチック製マガジン(20発・30発)です。射手は残弾数を一目で確認でき、さらに複数のマガジンを連結できるため、素早い再装填が可能です。ただし、余分なマガジンが多すぎると取り回しが悪くなるため、実際には3本程度まで連結するのが一般的です。

照準については、ドラム式照尺とフロントサイトの組み合わせにより400mまでの射撃に対応し、テレスコープ(スコープ)を搭載すれば600mまで有効です。

操作性と安全性

SIG-550の最大の強みは、容易なメンテナンス性と高い命中精度です。その反面、市街戦で重要となる軽量化や機動性ではやや妥協があり、狙撃に近い機動戦やゲリラ戦を想定した設計と言えます。また、テレスコープの装着も可能です。

すべてのモデルには射撃モード切替セレクターが備わり、安全装置・半自動(セミオート)・3点バースト・全自動(フルオート)から希望する射撃モードを選択できます。標準の照準装置の代わりに、各種照準補助装置を取り付けることもできます。

ただし、民生用モデルには安全上の理由から、3点バーストおよびフルオート射撃を無効化する安全装置が装着されています。連射機能を持つ銃器の購入は許可制となっており、スイスでは特別な許可がない限り禁止されています。

精度と拡張性

SIG-550は、初心者の射手でも300m先の直径50cmの標的に、最初の20発を命中させられるよう設計されています。この逸話は、その並外れた精度の高さを物語っています。

また、スイス軍では米国製のM203グレネードランチャーを装着することも可能です。各種SIGのストックは中空構造で折りたたみ式となっており、輸送や携行の利便性にも配慮されています。

採用国とユーザー

SIG 550はスイス軍の制式兵器であるだけでなく、さまざまなバリエーションで輸出も行われています。フランス海軍コマンド部隊をはじめ、多くのコマンド部隊が短縮版を採用しています。

また、1980年代半ばのフランス軍は、FAMASの配備が完了するまでのつなぎとして、海外派遣部隊(FAR)の一部にSIG-550を装備させました(チャド、レバノンなど)。