レオン・ルヴァヴァスール(Léon Levavasseur、1863年シェルブール生まれ – 1922年パリ没)は、フランスの航空先駆者であり、優れた技術者・発明家でした。航空機用エンジンの開発と、世界初級のフライトシミュレーターの誕生に大きく貢献した人物として知られています。
8気筒エンジンの特許とアントワネット社の設立
ルヴァヴァスールは1902年に8気筒エンジンの特許を取得し、1904年にアントワネット(Antoinette)社を設立しました。1905年には、航空の先駆者であるフェルディナン・フェルベール大尉から24馬力エンジンの発注を受けます。その性能は高く評価され、その後まもなくして、当時のほぼすべての航空機メーカーが彼のエンジンを採用するようになりました。
初の飛行機「アントワネットII」とラタムの参画
1908年には、自身初の飛行機となる「アントワネットII」を製作しました。翌1909年には、後にドーバー海峡横断に挑戦することでも有名になるユベール・ラタム(Hubert Latham)が、同社のテストパイロットに就任し、アントワネット機の開発を支えました。
世界初級のフライトシミュレーター「アントワネット樽」
1910年には、クロリュス少佐およびラフォン少佐、クラヴナ中尉の提唱により、同社は操縦技術を地上で学ぶための訓練装置を製作しました。この「アントワネット樽(バレル)」と呼ばれる装置は、操縦士養成のための地上訓練装置としては世界初のものであり、今日のフライトシミュレーターの原型の一つとされています。
晩年
ルヴァヴァスールは1922年6月24日、パリにて59歳で亡くなりました。短期間ではありましたが、航空黎明期におけるエンジン技術と操縦訓練の分野に残した功績は極めて大きく、フランス航空史において重要な足跡を刻んでいます。