古代の歴史

ブローニングM2重機関銃――採用100年を超える12.7mmの名器

ブローニングM2とは

ブローニングM2は、12.7×99mm NATO弾(通称.50 BMG)を使用する重機関銃である。その設計は第一次世界大戦末期にまで遡り、ジョン・モーゼス・ブローニングの手になる傑作として、火器史上類まれな長寿を誇る。数多くの制式名称を持ち、NATO標準の強力な12.7mm弾を使用する主力火器として、第二次世界大戦をはじめ数々の実戦を経験してきた。今日でもなお、世界各国の軍隊で現役使用され続けている。

主要諸元

  • 種別:重機関銃
  • 採用年:1921年(現在も多数の国で現役)
  • 使用弾薬:.50 BMG(12.7×99mm)
  • 作動方式:ショートリコイル(短反動利用)
  • 発射速度:約500発/分
  • 初速:930m/s
  • 有効射程:1,800m
  • 重量(空):38.1kg
  • 重量(装填時):55.66kg(105発装填時)
  • 全長:1,653mm
  • 銃身長:1,143mm
  • 給弾方式:弾帯式(105発)

開発の歴史

M2は、7.62mm弾を使用する中機関銃を拡大した設計で、その弾薬は当初対空用途向けに開発された。1921年、アメリカ陸軍はこれを地上用としても採用し、「M1921」として制式化した。当時、この銃は航空機に対しても装甲車両に対しても十分な威力を発揮した。

1932年の改良を経て「M2」として再採用され、この際に水冷式の冷却筒が装備された。一方、航空機搭載用には、より重い空冷銃身を持つ派生型が開発された。歩兵が使用した場合、銃身はすぐに過熱したものの、新銃身の質量増加と表面積の拡大により、水冷装置がない分がある程度補われた。水冷を廃することで約20kgの軽量化が実現し、取り扱いも格段に簡便になった。この新型は「M2 HB」と呼ばれた(HBはHeavy Barrel=重量銃身の略)。銃身の分解作業が複雑だったため、迅速な銃身交換システムも新たに開発され、さらに11kgおよび27kgに軽量化された銃身を備えたバージョンも登場している。

第二次世界大戦での活躍

第二次世界大戦中、M2は連合国軍に大きな優位をもたらした。ドイツ軍の多くの軽装甲車両を撃破できる威力を備え、逆にドイツ側の中機関銃ではM2に対抗できなかった。自動砲はM2の弾薬よりも強力だったが、はるかに希少で高価でもあった。

一方、空戦においては事情が異なる。M2は大戦中、ほぼアメリカ軍機専用に使用されたが、大戦後期の空戦では火力不足が露呈した。他国の戦闘機が少なくとも1門以上の機関砲を搭載していたのに対し、アメリカは補給面の理由からM2をほぼ独占的に搭載し続けたのである。

作動メカニズム

M2は、.30-06スプリングフィールド弾を拡大した12.7×99mm弾を発射するため、ブローニングM1917をスケールアップした設計である。現在のM2は空冷式で、弾帯による給弾を受け、閉鎖状態からのショートリコイル方式で作動する。

このメカニズムでは、発射時に銃身と遊底が一体となって後退する。短いストロークの後、遊底はアンロックされ、銃身が停止したまま後退動作を続ける。遊底が開くと薬莢が排出され、復行程で弾帯から新しい弾薬を引き込んで装填する。理論発射速度は毎分450~550発である。第二次世界大戦時の航空機搭載型は毎分600~1,200発、一方、連装型のM2は長時間の連射を可能にするため同期されており、毎分300発に抑えられていた。もちろんこれらは理論値であり、この速度で連射し続ければ数千発で銃身が破損する。実際、地上で使用されるM2 HBの持続発射速度は毎分40発程度が限界である。

重量と運用

M3三脚に架設した場合の有効射程は1.8km(最大射程は7.4km)。歩兵が携行・運用する構成では、本体38kgに加え、105発の弾帯が約17kg超、M3三脚が20kg必要となる。歩兵展開時の総重量は最低でも72.62kgに達する。

長らく、銃の後部には一対のグリップが取り付けられ、両親指で握り込むことで発射するV字型の「バタフライ」トリガーが採用されていた。近年は、より一般的な新型トリガーが開発されている。発射方式は自動・半自動の切り替えが可能だ。

多様な架設構成への対応

M2は極めて多様な架設構成に対応するよう設計されている。機構部品を交換することで、弾帯の給弾方向を右側からにも左側からにも変更できる。この簡単な作業は1分以内で完了し、工具を一切必要としない。

また、演習で空包を発射する際には、機構を作動させるのに十分な銃内圧力を維持するための専用アダプターが必要となる。これは銃口端に、基部へ固定する3本のロッドによって保持される。

まとめ

採用から100年以上が経過した今も第一線で使い続けられるブローニングM2は、火器史上屈指のロングセラーである。シンプルで堅牢な設計、強力な12.7mm弾の威力、そして絶え間ない改良によって、今後も長く現役であり続けることだろう。