コーンウォール北東海岸に佇む村
ティンタジェル(Tintagel)は、イングランド南西部のコーンウォール州、大西洋に面した北東海岸に位置する小さな村です。2001年の国勢調査によると、人口は約700人ほどしかありません。
この村はもともと「トレヴェナ(Trevena)」と呼ばれていました。これはコーンウォール語の「Tre war Venydh(丘の上の集落)」に由来する名称で、1850年に現在の「ティンタジェル」へ改名されるまで使われ続けてきました。
村のシンボル・旧郵便局
ティンタジェルで最も絵のように美しい建物といえば、なんといっても「旧郵便局(Old Post Office)」でしょう。この建物は14世紀に建てられた石造りの家屋で、19世紀になって郵便局として改修されました。現在はイギリス有数の歴史文化保護団体であるナショナル・トラストが所有し、一般にも公開されています。
アーサー王生誕の地としての伝説
ティンタジェルが世界的に知られている最大の理由は、アーサー王伝説との深い関わりです。伝説によれば、ここは偉大なる王アーサーの生誕の地とされています。
村のすぐ近くにある荒々しい岩場の海岸には、「アーサー城」と呼ばれる遺跡が今も残っています。その起源は5世紀頃にまで遡る可能性があるとされています。
発掘調査が明かす古代の交易拠点
1930年代に行われたラリー・ラッドフォード(Ralegh Radford)による発掘調査では、12世紀に築かれた城の周辺から、ケルト人の祭祀の場や、5世紀から6世紀にかけての交易拠点の存在が確認されました。
これらの調査結果から、この地はローマ帝国滅亡直後、地中海世界との重要な交易の中心地であったと考えられています。さらに近年の発掘調査では、1998年に「アーサーの石(Pierre d'Arthur)」と呼ばれる貴重な刻印石が発見され、この伝説の地への関心を一層高めることとなりました。