古代の歴史

文字の誕生:シュメールの粘土板からギリシャのアルファベットまで

先史時代、旧石器時代の初期の人類は遊牧生活を送っていたため、その暮らしは不安定なものでした。紀元前約45万年、原人ホモ・エレクトスが火を発見します。その後、道具の使いこなしや農耕・牧畜の発展によって、人類は少しずつ定住へと向かいました。ホモ・サピエンスがついに定住し、社会を形成し、コミュニケーションを取るようになった新石器時代の革命は、人類史上最大の転換点の一つといえます。獣皮で作られた小屋は堅牢な住居へと姿を変え、工芸が発達し、壁が立ち並んでいく――こうして最初の「都市化」の時代が幕を開けたのです。

紀元前3400〜3300年頃:文字はどのように生まれたか

文字の誕生:シュメールの粘土板からギリシャのアルファベットまで

初期都市の中心部では、組織と階層を備え、政治・経済・宗教の権力を握る社会が形成されていました。コミュニケーションが活発化するにつれ、文字はもはや不可欠なものとなります。世界最古の文字は、肥沃な三日月地帯、現在のイラクにあたるシュメールの地、ウルクの街で、紀元前3400〜3300年頃に誕生しました。

これら最初の文字は、葦を削って作った筆記具「カラムス(葦筆)」で粘土板に刻んだもので、その内容は経済的な記録、いわば今日の帳簿のようなものでした。そこには、対象物をそのまま描いた絵文字(ピクトグラム)や、物ごとに関連付けられた記号である表意文字が見られます。やがて、釘やくさびのような形をした楔形文字(ラテン語の「クネウス=くさび」に由来)が、これらの絵文字や表意文字と共存するようになりました。最古の文字体系が混合的な性格を持っていたのは、このためです。

エジプトのヒエログリフ

同じ頃、エジプトでは別の文明が、音声・象徴・図像といった異なる種類の記号から成る独自の文字体系を生み出しました。それがヒエログリフ(神聖文字)です。シュメールからの影響があったと考えられますが、この文字は独自性を保ち、絵文字を重視しました。エジプト人が主にパピルスに書いていたため、図像が見やすく、描きやすいままだったことが理由とされています。さらにシュメールよりも早く、エジプト人は文字を文学や政治など幅広い目的に活用していたのです。

アルファベットへの道

紀元前1500年頃、エジプトの勢力下に入ったフェニキア人は、商業民族としてヒエログリフを研究し、語頭の音だけを取り出す頭文字式(アクロフォニック)の記号による体系――すなわちアルファベットの原型――を発展させました。紀元前11世紀のフェニキア文字は22文字で、母音を含まない子音だけで構成され、木や皮革などに刻まれました。この簡潔な方法は記録を非常に素早く行えるもので、交易の促進に大きく貢献しました。その後、地理的に近かったギリシャ人は、紀元前8世紀にフェニキアの体系に着想を得て、母音を加えた新しい文字を作り上げたのです。

文字発明の意義

経済的・政治的・文化的・宗教的な必要性から生まれた文字の発明は、人類にとって根本的な飛躍でした。自らの過去を書き記すことで、人間は初めて自らの歴史を定義し、「歴史」という大きな流れの中に足場を築くことができるようになったのです。歴史家たちがこの象徴的な時期をもって先史時代の扉を閉ざし、人類を本格的な「歴史」の世界へ迎え入れたのは、決して偶然ではないのです。