古代の歴史

トロアス(トロアード)とは?歴史・重要性・古代都市を徹底解説

トロアス(トロアード)とは

トロアスは「トロアード」とも呼ばれる、伝説的な都市トロイのあった土地として知られる古代地域です。小アジア(現在のトルコ)北西部がエーゲ海へ向かって突き出した半島部を中心として定義されています。

地理的範囲と自然環境

トロアスは、南はエドレミト湾(古代のアドラミュティオン)から、北はマルマラ海とダーダネルス海峡まで、東はイダ山脈とその北側の丘陵地帯から、西はエーゲ海に至るまで広がる地域です。

南東部には標高1,774メートルのイダ山(現在のカズ山)がそびえ立ちます。東部と南部は起伏に富んだ地形で、一部には森林も広がっています。

イダ山脈の湧水を源とするスカマンドロス川(キュチュクメンデレス川)は、丘陵地帯を切りながら北西の平野へと流れ下り、ダーダネルス海峡(古名:ヘレスポントス)の手前でエーゲ海に注ぎ込みます。

トロアスに栄えた古代都市

トロイ(後にはイリオンと呼ばれた)のほかにも、トロアスには数多くの小規模なギリシャ植民都市が存在しました。

  • 西海岸: シゲウム、そして聖パウロがマケドニアへ向かう船に乗り込んだ地として有名なアレクサンドリア・トロアス
  • 南海岸: アッソス
  • 内陸部: ネアンドリア、スケプシス、パライスケプシス、ケブレン

これらの都市は、エーゲ海と黒海を結ぶ海上交通の要衝に位置するトロアスの戦略的重要性を物語っています。ホメロスの叙事詩『イリアス』の舞台としても名高いこの地域は、古代ギリシャ世界とアナトリア文明をつなぐ歴史的にも極めて重要な土地でした。