ルエルグ(Rouergue)は、フランスの中南部に存在した歴史的な旧州です。その領域は、現在のアヴェロン県のほぼ全域と、タルヌ=エ=ガロンヌ県の大部分に相当します。豊かな自然と独自の文化を育んだこの土地は、フランスの歴史において重要な役割を果たしてきました。
地理と隣接地域
ルエルグは、北をオーヴェルニュ、南および南西をラングドック、東をジュヴォーダンとセヴェンヌ山脈、西をケルシーとそれぞれ接していました。中央高地(マシフ・サントラル)の南縁に位置し、起伏に富んだ高原、深い渓谷、そして肥沃な盆地が広がる土地柄です。
かつての中心的な都市はロデズ(Rodez)であり、今日でもアヴェロン県の県庁所在地として栄えています。また、この地方は世界遺産にも登録されたミヨーの街や、名産品として知られる青カビチーズ「ロックフォール」の産地としても有名です。
州名の由来
「ルエルグ」という地名は、古代ガリアに居住していたケルト系の部族であるルトゥニ族(Rutheni)にちなむものです。ローマ支配の時代には、この部族の拠点としてロデズ周辺が発展し、地方の中核となりました。
行政上の歴史
行政面では、ルエルグは当初、首府をヴィルフランシュ(Villefranche)に置くセネシャル管区(sénéchaussée)としてラングドックの管轄下に置かれていました。その後、ギュイエンヌおよびガスコーニュの軍政管区へと編入され、統治体制が変遷していきました。
旧州としての終焉
1789年から始まったフランス革命に伴う行政区画の大改革、すなわち1790年の県(département)制度の導入により、ルエルグは独立した行政単位としての歴史に幕を下ろしました。その領域は主として新設されたアヴェロン県へと引き継がれ、その名は今日も地域のアイデンティティとして受け継がれています。