ホメロス以前の時代(先ホメロス期)は、紀元前2000年頃から紀元前1200年頃にかけて展開された、古代ギリシャ史の最初の段階にあたる時代です。
古代ギリシャ史の4つの時代区分
古代ギリシャの歴史は、それぞれ異なる特徴を持つ以下の4つの時代に分けられています。
- ホメロス以前の時代(紀元前20世紀〜紀元前12世紀)
- ホメロス時代(紀元前12世紀〜紀元前8世紀)
- アルカイック期(古風期)(紀元前8世紀〜紀元前6世紀)
- クラシック期(古典期)(紀元前5世紀〜紀元前4世紀)
ホメロス以前の時代の特徴【まとめ】
この時代は、ギリシャ文明が誕生した時期にあたります。当時のギリシャは、周辺地域から侵入してきた複数の古代民族、すなわちクレタ人・アカイア人・イオニア人・アイオリス人・ドーリス人が混ざり合うことで形成されました。ギリシャへの定住が始まった最初の段階ともいえる時代です。
これらの民族の文化的影響を受けるなかで、ギリシャ文化がほぼ1000年かけて徐々に形成されていきました。この時期を特徴づけるのは、いくつものインド・ヨーロッパ語族(アーリア系)民族の侵入です。
バルカン半島への進出と第一次ギリシャ植民
当初、これらの民族はバルカン半島南部、イオニア海・地中海・エーゲ海に囲まれた地域へと勢力を広げていきました。そしてこの時期、ギリシャ人が各地へ分散して移住する「第一次ギリシャ植民(ディアスポラ)」が起こりました。
アカイア人の台頭とミケーネ
最初にこの地域へ到達し、先住民を支配下に置いたのはアカイア人でした。彼らはミケーネという都市を建設します。ミケーネは当時における重要な政治・経済・文化の中心地となりました。
ミケーネのほかにも、アルゴスやティリンスが歴史の表舞台で大きな役割を果たしました。アカイア人は非常に好戦的な文明を持ち、少しずつ周辺の各地を征服していったのです。
クレタ・ミケーネ文明の成立
やがてアカイア人はクレタ島へ侵攻し、クノッソスを征服しました。さらにトロイアの街をも打ち破っています。こうした経緯から、クレタ(ミノア)文化とアカイア文化が融合したこの時代の文明は、「クレタ・ミケーネ文明」と呼ばれています。
その後、他の民族が到来すると、アカイア人が築いた文明はイオニア人やアイオリス人の文化と融合していきました。このとき彼らの関係は比較的平和なものでした。
ドーリス人の侵入と時代の終焉
しかし後に、金属加工の技術を持つ好戦的で軍事的な伝統をもつ民族であるドーリス人が現れ、ギリシャ本土のヘラス地方にある多くの都市を侵略・破壊しました。
この出来事によって諸民族の大移動が発生し、いわゆる「第一次ギリシャ植民」が本格化します。ここにホメロス以前の時代は終わりを迎え、次のホメロス時代が幕を開けました。この大移動は、各地域に数多くのギリシャ植民市が形成されるきっかけともなったのです。
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