アメリカ独立戦争(1775年〜1783年)の時代、イギリス王室への忠誠を貫いた「王党派(ロイヤリスト)」と呼ばれる人々は、場面や立場に応じてさまざまな服装を身につけていました。ここでは、彼らの服装を4つのスタイルに分けてご紹介します。
1. 正装(フォーマルウェア)
社交的な催しや公式の場に出席する際には、格式ある正装が着用されました。
男性の定番は、コートにベスト(ウェストコート)、膝丈のズボン「ブリーチズ」、そしてストッキングという組み合わせです。
女性はガウン(長衣)にペチコート、さらに体形を整えるコルセットを身につけるのが一般的でした。
2. 日常着
普段の暮らしの中では、より実用的で気楽な服装が好まれました。
男性はシャツにズボン、ベストを合わせたシンプルなスタイルが中心です。
女性はドレスやスカートにブラウスを組み合わせた、動きやすい装いが主流でした。
3. 軍服
イギリス軍に従軍した王党派の兵士たちは、イギリス正規兵とほぼ同じ軍服を着用しました。鮮やかな赤いコート(いわゆる「レッドコート」)、白いズボン、黒い帽子がその特徴です。
4. ネイティブ・アメリカンの影響を受けた服装
先住民(ネイティブ・アメリカン)の部族と密接に交流しながら暮らしていた一部の王党派は、モカシン、レギング(脚絆)、ブリーチクロス(腰布)など、先住民の衣類の要素を取り入れることもありました。
服装に込められた意味
王党派の服装は、社会的地位や経済状況、そして個人の好みを色濃く反映していました。高価で流行を押さえた服を着こなす人もいれば、質素で実用的な装いに徹する人もいたのです。
さらに、服装は単なる実用品にとどまらず、イギリス王室への忠誠心を示す大切な手段でもありました。つまり、当時の人々にとって「何を着るか」は、自己のアイデンティティと政治的立場を表す重要なメッセージだったのです。