アナトリア(小アジア)に住んでいたギリシャ人は、一般に「ポントス・ギリシャ人」(ポンティアノイとも呼ばれます)と呼ばれます。彼らは、現在のトルコ北東部にあたるポントス地方に古くから定住してきたギリシャ系民族です。
独自の言語と文化を持つ民族
ポントス・ギリシャ人は、ギリシャ語の一方言であるポントス・ギリシャ語を話し、本土のギリシャとは異なる独特な文化的伝統を持っています。伝統音楽や舞踏、食文化などにも独自の特色が色濃く残されています。
紀元前6世紀に遡る長い歴史
彼らの歴史は非常に古く、紀元前6世紀に古代ギリシャ人がポントス地方へ植民した時代まで遡ります。トラペズンダ(現トラブゾン)をはじめとする黒海沿岸の都市は、ビザンチン帝国時代には重要な交易拠点として繁栄しました。
自治の時代と迫害の歴史
歴史を通じて、ポントス・ギリシャ人は文化的・政治的な自治を享受した時期もあれば、迫害や抑圧に苦しんだ時期も経験してきました。特に1204年から1461年にかけて存在したトレビゾンド帝国は、彼らの歴史において最も重要な国家の一つとされています。
現代のポントス・ギリシャ人
20世紀初頭の大規模な移住や、1923年のギリシャ・トルコ間の人口交換により、今日アナトリアに残るポントス・ギリシャ人はごくわずかです。しかし、その子孫たちはギリシャ国内や世界各地のディアスポラ共同体の中で、今なお固有の言語と文化を受け継いでいます。