古代の歴史

トーガは白だけじゃない?古代ローマの正装に込められた「色」の意味

古代の正装として知られるトーガ。多くの人が思い浮かべるのは、真っ白な布を肩から垂らした姿ではないでしょうか。しかし実際には、トーガの色にはさまざまな種類があり、それぞれに深い意味が込められていました。

なお、トーガは厳密には古代ギリシャではなく古代ローマの衣装です。ギリシャで日常的に着られていたのはヒマティオンやキトンといった布であり、トーガはローマ市民の身分を示す特別な正装でした。ここでは、そのトーガにまつわる「色」の意味を詳しく見ていきましょう。

もっとも一般的だったのは白色のトーガ

トーガといえば白色をイメージする方が多いはずです。実際、無地の白いトーガは最も一般的なスタイルで、宗教儀式や公式の場で着用される標準的な装いとされていました。また、白色は清浄さや市民としての誠実さを象徴する色でもありました。

地位や役割によって変わるトーガの色

一方で、色付きのトーガも存在し、着用者の社会的地位や置かれた状況を視覚的に示す役割を果たしていました。

権威の象徴・紫色のトーガ

紫は古来、入手困難で高価な染料から作られることから、権力と威光の象徴とされてきました。行政官や皇帝といった最高位の人々に関連する色であり、紫の縁飾りが施されたトーガは特別な格式を表すものでした。

勝利を祝う赤色のトーガ

また、軍事的な勝利を祝う場面では赤系統の色が用いられることもありました。凱旋を迎える将軍の装いなどに見られるように、赤は戦勝の喜びと栄誉を表す特別な色彩だったのです。

まとめ:色は身分と栄誉を語るメッセージだった

トーガの色は単なるファッションではなく、着用者の身分・職務・栄誉を伝える重要なメッセージでした。白色が基本形である一方、紫や赤といった色は、特別な立場にある人々を際立たせるために使われていたのです。