初代皇帝アウグストゥスが築いた「ユリウス・クラウディウス朝」の最後の統治者は、第5代皇帝ネロ(Nero)です。ネロは西暦54年に即位し、西暦68年に自ら命を絶つまで約14年間にわたって帝政ローマを支配しました。彼の死とともに、アウグストゥスの血を引く王朝は約100年の歴史に幕を下ろすこととなりました。
ユリウス・クラウディウス朝の5人の皇帝
この王朝では、以下の5人の皇帝が相次いで帝位に就きました。
- アウグストゥス(在位:紀元前27年〜西暦14年)— 帝政ローマの創始者
- ティベリウス(在位:14年〜37年)
- カリグラ(在位:37年〜41年)
- クラウディウス(在位:41年〜54年)
- ネロ(在位:54年〜68年)— 王朝最後の皇帝
カリグラについて
正式にはガイウス・ユリウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクス(Gaius Julius Caesar Augustus Germanicus)と呼ばれ、一般には「カリグラ」の名で知られるこの皇帝は、西暦37年から41年までローマ帝国を統治しました。彼は名将ゲルマニクスと大アグリッピナの末息子として、西暦12年8月31日に生まれました。「カリグラ」という愛称は、幼少期に軍隊で「小さな軍靴(カリガ)」を履いていたことに由来すると言われています。
ネロの治世と王朝の滅亡
ネロはクラウディウスの養子として帝位を継ぎ、当初は名臣セネカやブルスの補佐のもと比較的安定した統治を行いました。しかし次第に専制的な性格が顕著になり、「ローマ大火」(64年)への関与をめぐる疑惑や、母親アグリッピナの殺害などで悪名を高めていきました。
68年、ガリアやヒスパニアでの反乱が相次ぐ中、元老院はネロを「公敵」と宣言。追い詰められたネロは自殺を選び、ここにユリウス・クラウディウス朝は完全に滅亡しました。その後、ローマは内乱の時代(四皇帝の年)を経て、ウェスパシアヌスによるフラウィウス朝へと移行していきます。