古代の歴史

夏王朝は中国最初の文明か?長年「最古」とされた殷王朝(紀元前1766年)の常識が揺らぐ

夏王朝――中国最初の文明を示す証拠

考古学および古代文献の研究により、夏王朝が中国史上最初の文明であった可能性を示唆する証拠が相次いで見つかっています。

伝承によれば、夏王朝は禹(う)の治水事業に始まるとされ、黄河流域を中心に栄えたと考えられています。特に河南省で発見された二里頭遺跡は、その広大な規模や高度な青銅器文化から、夏王朝の都跡ではないかと国内外で大きな注目を集めています。

長年「最古」とされてきた殷王朝

これまで長い間、中国最古の王朝とみなされていたのは殷(商)王朝でした。その起源は紀元前1766年に遡るとされ、甲骨文字や青銅器といった実物資料によって、その存在は確実視されてきました。

しかし、夏王朝の存在を裏付ける証拠が積み重なるにつれ、「中国最初の文明はどこまで遡れるのか」という従来の認識が大きく揺さぶられつつあります。

夏と殷、どちらが最古の文明か

殷王朝には文字資料による直接の裏付けがある一方、夏王朝については後世の歴史書『史記』などに記録が残るのみで、同時代の文字資料はまだ発見されていません。それでも、二里頭遺跡をはじめとする考古学的成果は、殷以前にすでに高度な都市文明が存在していたことを強く示唆しています。

今後の発掘調査の進展次第では、中国文明の始まりは紀元前1766年よりもさらに古い時代へと遡る可能性もあります。「最古の王朝」をめぐる議論は、いまだ決着を見ていないのです。