古代の歴史

アーリントン国立墓地はロバート・E・リー将軍の「裏庭」なのか?その歴史と真実

アーリントン国立墓地は「リー将軍の裏庭」ではない

よく誤解されることですが、アーリントン国立墓地(Arlington National Cemetery)は、南軍の名将として知られるロバート・E・リー将軍の「裏庭」ではありません。同墓地は、バージニア州アーリントンに位置する米国最大級の国立墓地であり、ポトマック川を挟んでワシントンD.C.の対岸に広がっています。現在までに40万人以上の軍人やその家族がここに眠っており、米国における国家の名誉と追悼の象徴となっています。

かつてはリー家の邸宅地だった

興味深いことに、この土地の歴史とリー将軍は無関係ではありません。もともとこの一帯は「アーリントン・ハウス」と呼ばれる邸宅を中心としたカスティス=リー家の私有地でした。リー将軍の妻メアリー・アンナ・カスティス・リーがこの屋敷の相続人であり、夫妻はここで暮らした時期もあります。

南北戦争が運命を変えた

南北戦争(1861年〜1865年)が勃発すると、リー将軍は南軍の指揮官として北軍と戦う道を選びました。その結果、連邦政府は彼の所有するアーリントンの土地を接収し、1864年に墓地として使用を開始しました。当時は、リー家が二度とこの屋敷に住めないようにするという意図もあったと伝えられています。

現在のアーリントン国立墓地

今日、アーリントン国立墓地は米国陸軍によって管理され、戦没者や功績のあった軍人、退役軍人、そしてその家族が埋葬される神聖な場所となっています。無名戦士の墓(Tomb of the Unknown Soldier)やジョン・F・ケネディ元大統領の墓などでも知られ、毎年数百万人が訪れる米国屈指の追悼の場です。

つまり、アーリントン国立墓地は単なる「誰かの裏庭」ではなく、かつての私邸が国家の歴史の中で転換を遂げ、数多くの犠牲を捧げた人々を偲ぶ国民的な聖地へと生まれ変わった場所なのです。