ビクトリア朝時代(1837年〜1901年)は、女王ヴィクトリアの治世にあたり、大英帝国が最盛期を迎えた時代です。この時期、イギリスは「太陽の沈まない帝国」と呼ばれるほど広大な領土を支配し、世界のあらゆる地域に植民地や自治領を有していました。
ここでは、ビクトリア朝時代に大英帝国の一部であった主な国と地域をご紹介します。
ビクトリア朝時代の大英帝国とは
19世紀後半、産業革命による経済力と強大な海軍力を背景に、イギリスは世界貿易と政治に絶大な影響力を持つようになりました。インドを「帝国の宝石」と呼び、アフリカ、アジア、北米、カリブ海、オセアニアへと勢力を拡大していきました。
大英帝国の一部であった主な国・地域
オーストラリア
1788年にイギリスの流刑植民地として始まり、1901年に連邦制を敷いて事実上の独立を果たしました。ビクトリア朝時代には羊毛や金鉱山の開発で大きく発展しました。
カナダ
1867年のカナダ自治領成立により、イギリスから大幅な自治権を獲得しました。大英帝国内では最初期の自治領の一つです。
インド
1858年、東インド会社の統治に代わりイギリス王室による直接統治が始まりました。綿花、茶、香辛料などの資源供給地として、帝国経済の中核を担いました。
アイルランド
1801年の合同法以降、正式にイギリスの一部となっていました。しかしジャガイモ飢饉などの苦難を経て独立運動が高まり、20世紀初頭に独立への道を歩み始めます。
ジャマイカ
1655年からイギリス領となったカリブ海の島です。砂糖プランテーション経済の中心地として栄えました。
マルタ
地中海の要衝に位置し、1814年からイギリス領となりました。スエズ運河開通後は、インド航路の戦略的拠点として重要視されました。
モーリシャス
インド洋に浮かぶ島で、1810年にイギリスがフランスから奪取しました。砂糖生産の拠点として発展しました。
ニュージーランド
1840年のワイタンギ条約によりイギリスの植民地となり、1907年に自治領として高い自主性を獲得しました。
南アフリカ
1806年にケープ植民地を獲得して以来、ダイヤモンドや金の鉱脈をめぐって勢力を拡大し、1910年に南アフリカ連邦が成立しました。
トリニダード・トバゴ
カリブ海の島々で、1797年にイギリス領となりました。砂糖やココア、後に石油産業が経済の柱となりました。
ウガンダ
東アフリカに位置し、1894年にイギリスの保護領となりました。綿花栽培の導入など、植民地経済の基盤が築かれました。
まとめ
ビクトリア朝時代の大英帝国は、オーストラリアやカナダといった自治領から、インドやアフリカ諸地域の植民地まで、地球上の広範な地域を網羅していました。これらの国々はその後、20世紀にかけて次第に独立への道をたどり、現在では多くがイギリス連邦(コモンウェルス)のメンバーとして独自の道を歩んでいます。