「1921年のマーキュリーダイム(マーキュリー10セント銀貨)」について調べている方の中には、「そもそも1921年にこの硬貨は鋳造されたのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。結論から言えば、1921年製のマーキュリーダイムは確かに存在します。しかも、シリーズ全体でも指折りのキーデート(希少年)として知られており、コレクターの間で非常に高い人気を誇る年号です。
マーキュリーダイムとはどんな硬貨?
マーキュリーダイムは、1916年から1945年にかけてアメリカ合衆国で鋳造された10セント銀貨です。正式名称は「ウィングド・リバティ・ヘッド・ダイム」ですが、表面の自由の女神像が翼のある帽子をかぶっている姿が、ローマ神話の神メルクリウス(マーキュリー)に似ていることから、この愛称で広く親しまれています。デザインは彫刻家アドルフ・A・ワインマンによるもので、裏面には束ねられた斧(ファスケス)とオリーブの枝が描かれています。
1921年はなぜ希少なのか?
第一次世界大戦後の1920年から1921年頃、アメリカ経済は深刻な不況に見舞われました。その影響で各造幣局の硬貨生産量は大幅に削減され、ダイムの鋳造枚数も例年に比べて極めて少なくなりました。
- 1921年(フィラデルフィア造幣局):約123万枚
- 1921-D(デンバー造幣局):約108万枚
通常の年には数千万枚規模で鋳造されることもあるため、この数字がいかに少ないかがわかります。さらに、流通で実際に使われた硬貨は摩耗が激しく、高グレードのまま現存する個体は非常に珍しく、価値が大きく跳ね上がります。
1921年マーキュリーダイムの価値目安
価値は主に保存状態(グレード)とミントマーク(造幣局マーク)の有無によって大きく変わります。以下はあくまで市場の一般的な目安であり、銀価格やコレクター需要によって変動することにご注意ください。
1921年(フィラデルフィア/ミントマークなし)
- Good(G-4):約50〜75ドル
- Fine(F-12):約100〜150ドル
- Extremely Fine(EF-40):約300〜400ドル
- Uncirculated(MS-60以上):約800ドル〜
- MS-65:約2,000ドル以上になることもあります
1921-D(デンバー造幣局)
裏面左下、「E PLURIBUS UNUM」の文字の左側にある小さな「D」のミントマークが目印です。1921-Dの方がやや発行枚数が少なく、価値も高めにつきます。
- Good(G-4):約60〜90ドル
- Fine(F-12):約150〜200ドル
- Extremely Fine(EF-40):約400〜550ドル
- Uncirculated(MS-60以上):約1,200ドル〜
- MS-65:3,000ドルを超えるケースもあります
真贋と価値を見極めるポイント
- 銀含有量を確認:マーキュリーダイムは銀90%・銅10%で作られており、重量は約2.5gです。
- ミントマークに注意:希少年のため、安価な年号の硬貨にミントマークを後から加工した偽物も存在します。位置や字体の違和感をチェックしましょう。
- 第三者鑑定を活用:高額になりそうな個体は、PCGSやNGCなどの信頼できる鑑定機関に依頼すると安心です。
まとめ
1921年マーキュリーダイムは実在し、しかもシリーズ屈指のキーデートです。摩耗の進んだものであっても数十ドル、美品や未使用品なら数百〜数千ドルの価値がつく可能性があります。お手持ちの硬貨がある場合は、まず裏面のミントマークの有無と保存状態を確認してみてください。状態次第で思わぬ高値が期待できるかもしれません。