1960年代の大型1ドル銀貨は「ピースダラー」
1960年代に発行された大型の1ドル銀貨といえば、アメリカ合衆国で鋳造されたピースダラー(Peace Dollar)を指します。ピースダラーは1921年から1935年にかけて本格的に発行され、その後1964年にもごく一部が鋳造されました。銀を主体とした重厚な大型硬貨で、アメリカ貨幣史の中でも特別な位置を占める銘柄です。
第一次世界大戦の終結を記念したデザイン
ピースダラーは、第一次世界大戦の終結を記念して発行された銀貨です。デザインは彫刻家アンソニー・デ・フランシスキ(Anthony de Francisci)によるもので、表面には「平和」を象徴する自由の女神像、裏面には止まり木にとまった鷲(ワシ)が描かれています。凛とした佇まいの女神像と力強い鷲の意匠は、当時のアメリカ国民に平和への願いを訴えかけました。
モーガンダラー以来となる1ドル銀貨
ピースダラーが注目される理由の一つは、1904年に生産が終了したモーガンダラー以来となる1ドル銀貨である点です。長い空白期間を経て復活した銀貨として、モーガンダラーの後継銘柄に位置づけられており、コレクターの間でも根強い人気を誇ります。
1964年鋳造分は現存しない?
1964年には約31万枚のピースダラーが鋳造されましたが、実際に流通することなくすべて溶かされてしまったとされています。そのため、現在コレクション市場で取引されているのは、主に1921年から1935年までの発行分です。それでもピースダラーは銀含有量の高さと美しいデザインから、投資目的・収集目的のどちらにおいても価値の高いコインとして評価されています。