アメリカの硬貨には、「ミントマーク(造幣局マーク)」と呼ばれる小さなアルファベットが刻印されています。このマークは、その硬貨がどの造幣局で鋳造されたのかを示すものであり、コレクターの間では希少価値や市場価格を判断する重要なポイントにもなります。ここでは、アメリカの主要な造幣局マークの種類と、それぞれの所在地・操業期間をご紹介します。
現在も使われている主な造幣局マーク
P:フィラデルフィア造幣局(ペンシルベニア州)
アメリカ最古の造幣局で、1792年に設立されました。流通硬貨の多くを鋳造しており、かつてはフィラデルフィア製の硬貨にはマーク自体が刻印されないこともありました。
D:デンバー造幣局(コロラド州)
1906年に開設された、現在のアメリカ硬貨生産の主力となる造幣局です。日常的に使われる硬貨の多くがここで作られています。
S:サンフランシスコ造幣局(カリフォルニア州)
1854年のゴールドラッシュ時代に開設されました。現在はプルーフ硬貨(証明用貨幣)や記念硬貨の鋳造が中心となっています。
W:ウェストポイント造幣局(ニューヨーク州)
主に記念硬貨や地金型貨幣(ブルリオンコイン)の鋳造を担当しています。「W」マークが付いた硬貨は一般流通用ではないため、コレクターからの人気が高い傾向があります。
歴史上存在した造幣局マーク
CC:カーソンシティ造幣局(ネバダ州)
1870年から1893年まで使用されました。銀産地に位置していたことから、銀貨や金貨を多数鋳造しており、「CC」マークの硬貨は現代でも特に高い評価を受けています。
O:ニューオーリンズ造幣局(ルイジアナ州)
1838年から1909年まで操業しました。南北戦争による長い中断期間を挟んで使用されたのが特徴で、金貨・銀貨の両方が鋳造されています。
C:シャーロット造幣局(ノースカロライナ州)
1838年から1861年まで、金貨のみを専門に鋳造していました。南北戦争の勃発とともに閉鎖され、以降は再開されていません。
D:ダロネガ造幣局(ジョージア州)
1838年から1861年まで金貨を鋳造していました。デンバー造幣局と同じ「D」のマークを使用していますが、操業期間がまったく異なるため、年代を見れば簡単に区別できます。
まとめ
ミントマークは、硬貨の表面や裏面に小さな文字として刻印されていることが多く、特に古い硬貨では希少性を大きく左右する要素となります。同じ年号・同じデザインの硬貨でも、造幣局によって価値が数倍変わることも珍しくありません。コレクションや査定の際には、ぜひマークの確認を習慣にしてみてください。