結論:その関係は正反対です
いいえ、ハウデノサウニー(Haudenosaunee)がイロコイ(Iroquois)に率いられていたわけではありません。むしろその逆で、「イロコイ」というのはフランス人がハウデノサウニー連合体を呼ぶ際に使った呼び名にすぎません。つまり、両者は同じ存在を指す別々の名称なのです。
ハウデノサウニーとは?
ハウデノサウニーは、北米北東部(現在のニューヨーク州周辺)に栄えた、6つのネイティブ・アメリカン国家による連合体です。彼ら自身はこの名前を「ロングハウス(長屋)の人々」という意味で用いており、連合体の結束と平和の理念を象徴しています。
連合体を構成する6つの国家は次の通りです。
・モホーク族(Mohawk)
・オナイダ族(Oneida)
・オノンダガ族(Onondaga)
・カユガ族(Cayuga)
・セネカ族(Seneca)
・タスカローラ族(Tuscarora)
「イロコイ」という名称の由来
17世紀に北米へ進出したフランス人たちは、この連合体を「イロコイ」と呼びました。この呼称が英語圏にも広まり、歴史書や教科書では長らく「イロコイ連邦」として知られてきました。しかし、彼ら自身のアイデンティティを表す正式な名前は、あくまで「ハウデノサウニー」です。
補足:世界最古級の民主主義的連合体
ハウデノサウニー連合体は15〜16世紀頃に成立したとされ、「大いなる平和の法(Great Law of Peace)」と呼ばれる規範に基づいて統治されていました。当初は5部族構成でしたが、1722年にタスカローラ族が加わり、現在の6部族体制となりました。この連合体の合議制は、後のアメリカ合衆国の民主主義制度にも影響を与えたと言われています。
まとめると、ハウデノサウニーとイロコイは支配する側とされる側の関係ではなく、同一の連合体に対する「自称」と「他称」の違いにすぎないのです。