「なぜイギリスの探検家たちは1200年代に新世界へ来たのか」という問いかけはよく見られますが、実はこの前提自体が誤りです。イギリス(イングランド)の探検家たちは、1200年代には新世界へ渡っていません。
最初のイングランド遠征は1497年
イングランドによる新世界への最初の遠征が行われたのは1497年のことです。この年、イタリア出身の航海者ジョン・カボット(John Cabot)が北アメリカの海岸線を探検しました。
ジョン・カボットの航海とは
カボットは当時のイングランド王ヘンリー7世から支援を受け、ブリストル港を出航して大西洋を横断しました。彼は現在のカナダ・ニューファンドランド島付近に到達したとされており、これがヨーロッパ人としてコロンブスに次ぐ北米大陸への到達とされています。
なぜ1200年代ではなかったのか
1200年代の中世ヨーロッパには、まだ外洋を長距離航行できる船舶技術や航法の知識が十分にありませんでした。また、「新世界」すなわちアメリカ大陸の存在自体がヨーロッパに知られていなかったのです。
1492年にクリストファー・コロンブスが西インド諸島に到達して以降、ヨーロッパ各国は競って新航路の開拓に乗り出しました。カボットの1497年の航海も、そうした流れの中で実現したものです。
後世への影響
カボットの探検は、その後のイングランドによる北アメリカ植民地化の出発点となりました。16世紀末以降、イギリスは北米東岸に次々と植民地を建設し、やがてアメリカ合衆国やカナダの形成につながっていくことになります。