アングロサクソン人の埋葬地は「バロウ」
アングロサクソン時代の埋葬地は「バロウ(barrow)」と呼ばれていました。バロウとは、身分の高い人物の墓の上に、土や石を積み上げて造られた大きな塚(墳丘)のことです。
王や貴族を葬った記念碑的な墳丘墓
バロウは、王、女王、あるいは社会の上位階級に属する人々を葬るために用いられることが多く、単なる墓というよりも、故人の地位や権力を後世に示す記念碑的な役割を果たしていました。
立地と構造の特徴
バロウは通常、見晴らしの良い高台に築かれ、周囲には溝(堀)や柵が巡らされることもありました。これは、墓地を外部の空間から区切り、神聖な場所として守る意図があったと考えられています。
大きさに表れた被葬者の格
バロウの規模は、そこに葬られた人物の重要性によって大きく異なっていました。小さなものは高さわずか1メートルほどしかありませんが、中には100フィート(約30メートル)を超える巨大なものも存在しました。塚が大きいほど、被葬者がより高い地位を持つ人物であったことを物語っているのです。
有名なバロウの例「サットン・フー」
イングランド・サフォーク州にあるサットン・フー(Sutton Hoo)は、バロウの中でも特に有名な遺跡です。1939年の発掘調査では、船をそのまま墓とした珍しい船葬墓から、華麗な装飾が施された兜や金銀の宝物が多数出土しました。これにより、7世紀の東アングリア王国の王墓ではないかと考えられています。